2013年8月12日月曜日

深井正樹の復帰も暑さには勝てず・・・(第28節ギラヴァンツ北九州)

  去年まで居たオーロイが暑さに弱いことは周知の事実だったが、そもそもジェフというチームそのものが暑さに弱いことは2年前からわかっていたが・・・。ギラヴァンツ相手に前半はいつも通りの「省エネ運転」で煙に巻いたあと、後半立ち上がりで一気に叩き選手交代で乗り切る作戦が今節はうまく行きませんでした。

  試合序盤から明らかにジェフの選手だけ顔が赤くなっていて、コンディションの悪さが画面を通して伝わってきます。対する北九州は色黒の選手が多く、それほど表情に出ないようです。リンゴほっぺの山口キャプテンを初め、米倉、佐藤(健)、大塚、谷澤と「美白」系の選手が多いジェフにとって、顔色の変化は敵味方の心理に少なからず影響したように感じます。

  鈴木監督の采配にも疑問が残ります。暑さで集中力に欠けるミスが当然のように多発します。しかも戦術上、オーバーワークを強いられる米倉選手のエリアではよりいっそう「事故」に警戒しなければなりません。もはやこの暑さでは従来のクオリティを求めるのは無理だったのではないかとすら思います。前半から幾度となく、簡単に裏を取られる米倉選手のディフェンスは前節に続いて不安がつきまといます。PKこそ無かったですが、まだまだバイタルエリアでの守備の経験が乏しい米倉選手がゴールへ突進する相手に後ろからチャージを仕掛ければ、怖さ満点でPKや退場でなければ御の字という気分です。

  米倉選手もちょっと自信を無くしているようなプレーぶりもやや心配です。飛び出しこそはさすがですが、守備だけでなくパス・ドリブルもジャイール選手がいた頃のようなキレがないように感じます。もちろんこういう壁を幾つも乗り越えて凄い選手になっていってほしいのですが・・・。

  今節のゲームに関しては前半の出来を見るまでもなくシステムの変更が必要だったように感じます。チーム全体として球際で相手に圧倒されるシーンが多かったわけですから、やはり最強の対人プレーヤーのキムヒョヌン選手をベンチに90分置くのはどうだったのでしょうか?スタメンで竹内・キム・山口・大岩のDFラインでも良かったように感じます。コンディションがいまいちなケンペス選手を下げて田中選手の1トップで泥臭く1ゴールを目指してもよかったように思います。次節から2試合はケンペス選手が出場停止なので、田中選手の1トップかナム選手&大塚選手の2トップのどちらかになりそうです。

  後半の残り5分で出て来た深井選手も今節のような消耗戦ではそのスピードと球際の強さで1人で2〜3人分の活躍ができる選手だと思います。実際に出場した5分でジェフファンのハートを掴む熱いプレーを繰り広げました。枠内にほとんどシュートが行っていないジェフの現状では深井選手のミドルにも次節以降期待したいと思います。


ギラヴァンツ北九州1−0ジェフ千葉 


スタメン
GK岡本 7.0☆(今日も一人で鬼神の働きだったが、最後の不運な変則シュートはさすがに防げず・・・)
DF米倉 4.5★(判断や思い切りの悪さが裏目裏目に出てしまった、早くスランプを抜けてくれ)
DF竹内   6.0△(キム選手に負けない対人能力を発揮していて苦しむチームで一番動けていた)
DF山口(智)    6.0△(動けないチームの中でゴール前で奮闘して接戦を演出まずまずの働き)
DF大岩    4.5▲(せっかくのスタメンのチャンスもライバルとの違いを見せられず)
MF佐藤(健)   5.0▲(相手の出足の良さに後手後手、攻撃時のパスミスも目立つ)
MF伊藤  4.5▲(判断の遅さがことごとく響きチャンスを演出できず)
MF大塚   5.5△(まずまずの仕事だが、エースポジションを務めるからにはもっとイマジネーションを・・・)
MF谷澤    4.5▲(タイミングが合わなかったり、球際での弱さばかりが目に付いた)
MF田中   5.0▲(出足も良く頼りになるが、ゴールに迫るプレーの精度に難があった)
FWケンペス    4.5★(ドン引きDFだといつも苦労するようだ、サポートも少なくやや不憫ではあるが)

交代
DF佐藤(勇)  5.0▲(2列目で使ってほしい、ボランチに入れるならキムヒョヌンや山口慶では?)
MF兵働  4.5▲(最大のチャンスを逃してしまった活躍できるポジションはどこなのか?)
MF深井 5.5△(この試合唯一の明るい材料。出足の良さ球際の強さは攻撃陣ではピカイチ)   

2013年8月4日日曜日

出た!佐藤勇人の必殺カウンター(第27節水戸ホーリーホック)

  前節は久しぶりの敗戦が悔しすぎて記事が掛けませんでした・・・。結果こそ残しているけど、全くもって強いのか弱いのか分からないのが今年のジェフです。試合を見ているサポーターはもちろん、もしかしたらやっている選手達も同じ想いではないでしょうか。連勝していても内容が伴っていないので、選手たちも慢心することなく必死でプレーしている結果なのかもしれません。

  右SB米倉の大ブレイクに加えて、不動のレギュラーを掴んでいる大塚・伊藤の両選手がチームにとっていい結果をもたらしているのは間違いないでしょう。特に大塚・伊藤の両選手は去年はジェフサポーターに全く存在感を示すことができませんでした。彼らにとっては屈辱の1年だったと思います。今期も開幕からベンチにも入れない日々が続き、このまま1年終わったらサッカー選手の廃業も見えてくるくらいの厳しさはあったと思います。両選手の能力には疑いの余地もないですが、この2人の「背水の陣」といえる切実さ溢れるプレーはジェフにとって非常に大きいです。

  今節から兵働選手がスタメンに復帰しました。伊藤選手・サトケン選手のダブルボランチは今や絶対的なファーストチョイスになっているようで、兵働選手や佐藤勇人選手が入っても絶対に崩さない「形」になりつつあります。バックアップ要員としては山口慶選手くらいしか想定していないようです。もう少し攻守にパンチの効いたボランチを補強してほしい気がします。

  米倉選手が守備的なポジションで使われるようになったのとは対照的に、佐藤勇人選手は攻撃的なポジションへとコンバートされたようです。ご存知のように双子の弟はJリーグ屈指のストライカーということもあり、勇人選手も攻撃力に優れたMFで、その攻撃力はあのオシム監督の絶大なる信頼を得ていたほどでした。ここ数年はチーム戦術の中で守備的MFを任されていましたが、どこか戸惑いを感じている様子がありありと感じられました。J2初年の江尻体制ではチームの主軸としての存在感を放っていましたが、オーロイ加入の2年目から輝きが薄れてしまいました。

  前線に大柄な選手を置き、2列目にはスピードがあってボールキープに優れるタイプを置くという、ジェフはチーム作りのコンセプトがあまりにも「当たり前」すぎることで、戦力的に劣るであろうJ2の相手に面白いように金星を挙げられてしまいました。今年の戦術はその「王道」からの脱却が鈴木監督によって行われつつあるようです。去年の木山サッカーが強くなったと思ったらすぐに相手に研究されて、3連勝4連勝が果てしなく遠かったわけですから、大きな進歩をしていると思います。

  常に進化し続けるチーム戦術は、「ゼロトップ」「兵働ボランチ」「米倉SB」「チーム大塚」と対戦相手が対応しきれないほどのバリエーションを誇っています。そして新たに「オフェンシブ勇人」という、おそらくは江尻コーチの発案と思われる新戦術が導入されています。大塚or谷澤といった攻撃的な選手に変わって勇人選手が入ると、相手は「守備固め」と思って前掛りになります。そこをすかさず「カウンターの鬼」こと勇人選手が絶妙なタイミングとポジション取りでカウンター攻撃の主軸を担うわけです。今日はその狙いが上手くハマり、ダメ押しの2点目を見事にもぎ取りました。シーズン終盤のジェフの隠し玉戦術としてまた決定的な仕事を期待したいです。




ジェフ千葉2-0水戸ホーリーホック  得点者 米倉・田中

スタメン
GK岡本 8.5☆(今や日本最高のGKと言っても過言ではない!鬼セーブ連発で柱谷哲監督も脱帽?)
DF米倉 6.0△(決定力の高さが光るが無念の負傷交代でとても心配だ)
DF竹内   5.5▲(クリーンシートだが、パスミスで悪い流れを招いてしまった感がある)
DF山口(智)    6.0△(決定的なクリアやカバーリングが目立つ、さらに鈴木隆行選手を押さえ込んだ)
DF高橋    5.0▲(後味の悪いプレーが何度となく飛び出し、次節出場停止で代わりの選手の活躍次第でべンチ?)
MF佐藤(健)   6.0△(田中選手の不在を補うように前線に何度も顔を出すダイナモぶりは素晴らしい)
MF伊藤  5.5▲(セットプレーが少なく見せ場なし、攻撃回数が増えればゴール前FKも多くなるが・・・)
MF大塚   6.0△("宇佐美効果"でかなり燃えている、プレーの幅も毎試合ごとに広がってきた)
MF谷澤    6.0△(プロらしい優雅な先制アシストと2点目の起点とどちらも素晴らしかった)
MF兵働   5.5▲(パスの質は遠藤・二川レベル!大塚との役割分担にやや課題が・・・)
FWケンペス    5.0★(韓国人DFの前に沈黙、攻撃回数が少ないと見るべきものが少ないタイプのようだ)

交代
DF大岩  5.0▲(アクシデントによる出場もやや地味、去年のような大胆さを期待したい)
MF田中  6.0△(ダメ押し点お見事!パスミスもあったが失敗を恐れず突っ込めばとてもいいプレーがでるタイプ)
MF佐藤(勇)  6.0△(スタメン落ちこそしてるが、攻撃的ポジションで躍動!永輔の再来)