2014年7月27日日曜日

森本の背中が山中の闘志に火を付けた(たぶん)。(第23節Vファーレン長崎)

  ジェフにとって最も相性が悪い相手・長崎。チームというより敵将・高木琢也との相性が悪すぎる気がしますね。関塚新監督になって調子は上向きで、ゲームの内容も目に見えてよくなってきて、しかもホーム・フクアリならばどんな相手でも(平塚でも!)そうそう負けないだろうという期待は高く、いくら相性が悪くても下位に沈む長崎には負けは許さん!という空気がありました。

  しかし出場停止が今節は3名もいて、その中に現在のチームの攻撃と守備を支える最大のスター2名・ケンペスとキムヒョヌンが含まれるという危機的状況でした。この2人が居ないとチーム全体が相手に「格負け」してしまう展開になりやすく、この2人が相手の脅威になるセットプレーも完全に迫力不足・・・しかも谷澤不在で左サイドの連動性が低く、山中や中村が粘ってファウルを何度も貰っていたので、通常ならば絶好のチャンスとなる左からのFKも不発に。

  そして長崎の新戦力イ・ヨンジェの突進は凄かった!キムヒョヌンがいれば、こういうタイプには強いので、当たり負けずに抑え込んだかもしれないですが、186cmのポストプレーヤーながら一瞬で前を向くスピードは圧巻で、JリーグにはあまりいないタイプのFWでした。浦和のワシントン?甲府で活躍したハーフナーマイク?・・・いやいやジェフのレジェンドの1人チェ・ヨンスかな。ジェフもこういうFWを獲るべきでしょう!敵ながら天晴れとか思っていたら!ジェフのメンバーにもスゲーのが居た!速いし!強い!なんだこれ!?

  この試合の森本さんは熱かったですね!前半45分はほぼ何も出来なかったジェフの2列目の3人(山中・大塚・井出)が、もっと早く森本の好調さに気がついて動けていれば良かったんですが・・・。長崎もすぐさま「今日の森本はヤバいぞ!」とばかりに守備の警戒レベルを上げてしまったので、前半途中からあまりボールが入らなくなってしまったのが残念でした。欧州帰りの相手FWイ・ヨンジェも凄かったですが、森本だって欧州帰りでしかもセリエAでゴールを幾つも挙げてるストライカーでしたね!相手FWのプレーに反応して欧州でのプレースタイルが甦ってきたかのようでした!

  今日のジェフの2列目は実戦経験の少なさを露呈してしまいましたね・・・。ゲームの流れが目まぐるしく変わり、ピンチの連続と思いきや突如として森本がキレたかのように鬼の形相で単騎で切り込んでいく展開に全く付いていけてなかったですね。完全に「たられば」ではありますが、この試合に出場可能なジェフの選手でこういう展開で一番実力を発揮するのは佐藤(勇)だったと思います。いまだにオシム時代のイメージを引きずっているかもしれませんが、最近の出場ゲームでも攻め上がりのタイミングは抜群に良いと感じることが多々ありました。森本がチェーシングしてゴール前にこぼれたところに背番号「7」が!!!というシーンをジェフファンは望んでいますよ!

  後半に1点ずつを獲りあって、次第にハードワークの長崎の運動量が落ちてくると、にわかに始まった「兵働ワンマンショー」はすばらしかったです。味方の攻めあがりのスピードや、長崎の守備陣形をすべて計算に入れた上で、とんでもないところをズバズバとパスを通してました。まるで往年の中田英寿氏のキラーパスを編集した映像を見ているようで、直線的な「グラウンダーパス・アート」というべきパスに「おお〜!」っと興奮しつつも・・・ふと我に返って「とりあえず1点取って勝ってくれ!」と。これの繰り返しでした。ケンペスがいれば決めてくれたかな・・・。

  ちょっと残念だったのがベンチワークで、田中の投入はもちろん待ち遠しかったのですが、ちょっとエンジンがかかり始めた大塚が直後に交代でやや疑問でした。そもそも田中が先発で!という作戦で良かったように思います。長崎に押し込まれるという考えが無かったのかな?右SBに入った竹内は守備重視型のSBとしてならばジェフで屈指の安定感がありますから、その前方で田中選手をスプリントさせる方が、森本選手にスペースが出来て生きる展開だったように思います。試合をベンチで見つつテンションを上げた大塚がすんなり試合を決めるプレーをするという想像をしてしまいます。

  水曜日にガンバのゲームを見ていたのですが、米倉がガンバの新戦力パトリックを上手く使っているのが印象的でした。去年の米倉はもっぱら使われる側の選手だったのですが、ガンバに入って芸風がだいぶ変わってきています(相変わらず守備が・・・)。去年の内にこのタイミングの良い縦パスをマスターしていたら、森本との強烈なコラボがあったかな・・・なんて思ってしまいました。ジェフの右SBも様々なオプションが考えられるので、ここに一皮むけた選手が登場すれば、さらに強いジェフになりそうな予感がします。



ジェフ1−1長崎  得点者(ジ)山中  (長)奥埜

  



  

  

2014年7月25日金曜日

関塚ジェフにみなぎる全能感(第22節栃木FC)

  いよいよ2014シーズンも後半戦になりました。なかなか厳しいのではないかと思われたアウェーの栃木戦でしたが、常に優位た立場のまま90分をコントロールして勝つべくしてあっさりと勝ってしまいました。新生ジェフの攻撃パターンがまだ解らない相手チームからしてみれば、前半2分の先制パンチを喰らい、その後も狙いが絞れないまま負けてしまった・・・といったところでしょうか。

  関塚監督になってから戦術的に全く新しくなったという印象はないのですが、ケンペスのコンディションが確実に上がってきたことで、チーム全体が自信を持って前を向けるようになったのが大きい感じがしました。前線のケンペスと最後尾のキムヒョヌンが常にチームの為に体を張っているのが、今のジェフの最大のストロングポイントで、とりあえずJ2チームが相手ならば、相手のバイタルでケンペスが暴れることでチャンスが広がりますし、自陣のパイタルはキムヒョヌンが支配しているので、相手の決定的なチャンスはカウンター以外はほとんど無くなりました。

  さらに大岩・中村の両SBもフィジカルの水準はJ1で十分に戦えるレベルにあるので、サイドでの局地戦もここ数試合は常に優勢に立っています。4隅にフィジカルに優れた選手を配し、その間のプレーエリアに足元が得意な選手が詰め込まれているのが今のジェフの特徴で、パスの質がやはり相手よりも数段上です。森本を含む2列目の3人と、両ボランチと山口(智)の計6人はスタミナ面など不安な要素はありますが、高い技術でプレーに余裕がありますので、チーム戦術が大きく頓挫する時間帯が少なくなっています。

  スタメンは今後も流動的な要素は残していて、戦術的にハマれば最強の攻撃の切り札になるであろうジャイールも復帰加入を果たしました。前後左右の4方向に入る"フィジカル"プレーヤーが欠けるとチームバランスが悪くなりそうなので、各ポジションに2人ずつ確保できれば理想ですが、現状では最終ラインでキムヒョヌンの代役が務まる選手が見当たりません。大岩・竹内の両名が一応の候補ですが、今季はまだCBで機能している姿を見てないのが不安です。右SBの大岩を補完するのが田中で、左SBの中村の代わりはジャイールか山中のどちらかになりそうです。

  ケンペスの代わりはやはりジャイールか田中のどちらかですね。このポジションに戸島・オナイウの期待の若手FW陣が候補に上がればいいのですが、まずは実戦で見ないことには・・・。しかしケンペスは今季早くも8枚目のイエローカードで2試合の出場停止という緊急事態で、しかも相手は大型補強の難敵・長崎!これまでさんざん恩返し弾を喰らってきたジェフとしては深井さんからの強烈な一撃に注意したいですが、キムヒョヌンの183cmが最高のジェフのフィールドプレーヤーにとっては脅威となるビッグな選手が並ぶ長崎の攻撃陣を跳ね返すことができるのか!・・・オーロイがいた時代が懐かしいですね。


栃木FC0−2ジェフ千葉  得点者 (ジ) 井出、ケンペス

2014年7月6日日曜日

豪快に4発快勝そして森本貴幸の蘇生 (第21節大分トリニータ)

  第19節・第20節と連続して0-1の敗戦が続き、さすがに悔し過ぎて何も書けなかったです。負けるゲームから学ぶことはいくらでもあるでしょうが、この2試合のジェフはゲームを支配しつつもシュートを外しまくるという愚行を180分間も続けました。京都に快勝したことで有頂天になり過ぎたか?・・・愚かすぎる。山瀬・大黒といった代表クラスの実力者を擁するチームには全力で立ち向かうけど、松本や福岡といった相手に対しては油断こそしてないでしょうけども、どうも力が入っていません。集中力の問題かな?という気がします。

  今節は「連敗」と「谷澤の負傷離脱」を受けて、スタメンおよび戦術を一部変えてきました。結果が出てないのに井出を使い続けるのはチームにとって必ずしもプラスにならないだろうと思っていた矢先のスタメン落ちで、谷澤&井出"テクニカル"コンビの代わりに、森本&田中の"フィジカル"コンビを使ってきました。その他は同じメンバーで、勝ち負けに関わらず圧倒的なボール支配率を毎試合誇っている兵働&大塚のコンビネーションを軸に、前線とサイドに球際の強い選手が配されました。

  兵働が大塚や佐藤(健)との細かいパス交換からリズムを作って、サイドの深いところにロングの浮き球を配給できるのがポイントのようです。今年のジェフは圧倒的に左サイドからの攻撃が多いと言われていますが、今日は1点目、2点目、3点目と全て右サイドからの仕掛けでした。ここまでスカウティングと違う戦術で攻撃を仕掛けられては相手チームもひとたまりもないですね。いきなりの"左足"クロスから先制点をアシストして自信を持ったようで、今日の田中は一貫して迷いがなかったですね。

  とにかく球際に強い選手が多いと攻撃に迫力がありますね。大塚はちょっと苦しいものがありましたが、森本&田中のコンディションが良かったこともあるでしょうが、ケンペス並みの強さを発揮してくれてだいぶ試合が楽になりました。兵働のロングパスが50:50のボールだとしても、かなりの確率でマイボールにできるというのが大きいです。大分には失礼ですが、この攻撃がJ2屈指レベルのDFにどれだけ通用するかが後半戦の関塚ジェフの行方を左右しそうです。

  森本、田中、山中が次々と結果を出したので、チーム編成もいろいろと悩ましくなりそうです。兵働&大塚の軸を残して、谷澤(&井出)をベンチに座らせる編成になるんでしょうか。それとも新戦力が発表されて関塚色の強いスピーディな攻撃を繰り出すチームに生まれかわるのでしょうか?


大分トリニータ2ー4ジェフ千葉  
得点者 (大)風間、高木  (ジ)森本2、ケンペス、山中

2014年6月15日日曜日

久しぶりの"ケンペスday"で快勝(第18節京都サンガ)

  W杯の日本の初戦は残念ながら負けてしましました。どうも南半球ということでいつもの調子が出なかったみたいですね。まあ2010年も南でしたが。これまでのチームの流れからやや楽観していた部分もあったでしょうし、香川・岡崎と緊張している選手も多かったように感じました。大久保を先発させた方が良かった? 森重がイエローもらってナーバスになったところに、ドログバが投入され相手のオプション戦術(攻撃的選手が4→5)でマークがハッキリしない中で2点取られてしまいました。相手のラムシ監督は素晴らしい策士でした。そういえば彼がインテルで選手として頑張っていたころにセリエAナンバー1監督と言われたのがザッケローニでしたね。

  さてそんなモヤモヤのW杯とはうって変わって、ジェフは好敵手サンガをホームに迎えて、見事3-0の血祭りに挙げました。今日の日本代表と同ようにパスミスやクロスの精度に難があり、攻撃が噛み合わず得点機を演出できない時間が長かったですが、今節のジェフはチーム全員が守備を楽しんでいるかのように、「インターセプト・ショー」を展開しました。ケンペスも井出も谷澤もどんだけ守備の練習してんだ?というくらいに上手くなってますね!それでも守備の安定感や、奪った後に攻撃につなげる落ち着きで群を抜いて存在感を発揮したのがキムヒョヌンですね。大黒選手・山瀬選手といったJ1上位チームでもスタメンになれそうな手練を完全に抑え込みました。守備崩壊と伝えられる韓国W杯チームでももし入れるなら即戦力になれそうな勢いでした。

  チームの守備意識が高過ぎると攻撃のやり方を忘れてしまうかのように、井出・谷澤のドリブルが影を潜め、有効な攻撃のほとんどが中村・大岩の両SBがらみのサイドで数的優位を作ってCKを貰うという戦術。CKからの決定力が極めて低いのが悩みのジェフですが、今日は貴重な先制点が兵働のCKがケンペスにドンピシャで決まりました。この1本のCKで気を良くした様子で、ジェフ戦に燃える工藤浩平の執拗なチャージを受けながらもジェフのペースを維持する原動力になったのが大きかったです。ちょっとやられているように見える時間もありましたが、兵働&佐藤(健)とキム&山口(智)のセンターラインが最後まで主導権を譲らず、見事にクリーンシートを達成しました。

  ちょっと気がかりなのが、京都戦ということでテンションが上がったせいか谷澤が個人プレーに走り過ぎてしまったのが、攻撃が単調に見えてしまった原因のような気がします。中村との距離感はややギクシャクしていましたし、今日は前を向くことばかりに気を取られていて、井出を見る余裕が無かったような気がします。谷澤のサポートを受けてこれまで躍動してきた井出は今日はまったくチャンスに絡めず、兵働が中盤を支配するための「ボール一時預かり所」的な役割がやっとこなせていたくらいでしょうか。谷澤と井出のピッチを広く使うコンビプレーは、今シーズンすでに幾度となく「美しい攻撃」を奏でてきて、それを見たくてフクアリに来ている人も多いと思うので、ちょっと厳しいですが、昨日は2人とも期待ハズレでした。

  その一方で僅かな出場時間(5分ほど)で、存在感を見せつけたのがナムスンウで、得意技の「3Dパス」を炸裂させたり、緩急をつけたドリブル&ワンツーで中央突破を図り惜しいシュートも繰り出しました。疲労の大塚をフル出場させたのも、大塚&ナムの「ゴールデンコンビ」を試したいという意図があったようです。去年のどの試合だったか忘れましたが、この2人がFW不在のチームを牽引して勝った試合がありましたが、2人の才能が特別な調和を生み出した鮮烈なイメージが残っています。谷澤&井出が「日向小次郎&沢田タケシ」なら、大塚&ナムは「大空翼&岬太郎」といったところでしょうか。また大塚のエリア外からの「ドライブシュート」が見たいです。

  次節はまた九州遠征さらにフクアリホームを挟んでまた九州・・・。メインスポンサーがJR東日本だけに、新幹線使っているんですかね?前節の福岡戦もやや疲れが見えました。今シーズンは九州では2戦2敗。去年は「九州大好きケンペス」が完全に沈黙してしまってします。相手は現在のところ順位が上位の北九州ですから、自動昇格の2位を目指すなら絶対に勝っておきたいです。できればジュビロと2ゲーム差(勝ち点6差)で前半戦を折り返せたら良いのですが・・・。北九州・松本・大分との前半戦残り3試合で全勝してこの3チームよりも上に立っていてほしいですね。


ジェフ3−0京都  得点者 (ジ) ケンペス2、兵働

2014年6月8日日曜日

ケンペスの「脆弱性」・・・(第17節アビスパ福岡)

  朝に代表のザンビア戦を見てて、テンション高いはずの日本があっけなく2失点。ザンビア代表のメリハリのあるパスワークはなかなか見もので、パワーのあるボランチかフォアードを、ぜひこの夏に・・・なんて思ってしまいました。中西永輔、ミリノヴィッチ、巻誠一郎と続き、いよいよオシム・ジャパンが南アフリカを目指し始めた頃までは、ジェフとW杯の関係は非常に良好だったのですが、今回は・・・ミリガンがグループBという「無理ゲー」に挑むのがちょっとした楽しみですね。もちろん日本にはわざと「C組2位」になって決勝進出を伺って貰いたいです。決勝でブラジル倒しての「優勝」も川島さんの出来次第では無いことも無いと思うのですが・・・。

  さて今節のジェフは・・・代表のザンビア戦4得点と比較なんてとてもできないほどの、「貧し過ぎる」内容でした。福岡は曇りで絶好のコンディション、ジェフの苦手な「レイニー・マッチ」は避けられたのですが(関東地方は大雨)、「レベル5スタジアム」ってキャパがあり過ぎなせいか、6000人程度の観客でもなんだか寂しい雰囲気が画面から伝わってきます。なんかジェフが躍動しなさそうな予感がゲーム前からありました・・・。

  前節までのひたすらに相手を圧倒するパスワークを見せてきたこともあり、福岡ももちろんジェフを研究済みで、フルコートプレッシングを仕掛けてきます。それでも試合序盤はチームワークというか相互の信頼関係から、狭いスペースでも臆することなくボールを繋ぐジェフが見られましたが・・・。前半の10分までにケンペスの悪いクセとも言える、中盤に下がってのパス回し参加から、立て続けにケンペスがロストを繰り返し、挙げ句の果てに相手の老練な古賀選手の挑発にノってしまい退場一歩手前の派手な大立ち回り。これで完全に勝ち運が逃げたようで、あとは森本の幻のゴールを除けば、ダメな方の「ため息」の連発でした。

  ブラジル人なのに攻撃陣で一番テクニックが無いケンペスのポジショニングは、しばしばジェフのプランを台無しにする波乱要素です。かつてジェフで活躍したオルデネヴィッツや崔龍洙もケンペスと同じような足元のテクニックに乏しい選手でしたが、コンスタントな活躍でジェフの歴史にその名を刻みました。もちろんケンペスもオルデネヴィッツ以来の得点王を昨年獲得しました。しかしJ2得点王にも関わらず、ガンバや徳島といった昇格チームから声がかからなかったのは、チーム戦術における器用さに難点があると判断されたからかもしれません。

  それでも私はケンペスの、その「人情味」溢れるファイトスタイルは好きです。オルデネヴィッツや崔龍洙が示した役割に徹するプロフェッショナルな姿勢はもちろん素晴らしかったですが、ケンペスのような「波」があって「不器用」な選手は不思議と感情移入ができます。活躍すれば共に笑い、ノーゴールで負ければ共に涙して、余計なイエローカードを貰えば「何やってんだ〜」と野次りたくなる・・・。そんなジェフの試合がやっぱり好きなんですよね。

  さて、ジェフの掲示板で井出・大塚の両名が叩かれてました。井出は確かにフィニッシュのシーンで慌てる辺りにまだまだ若さを感じますが、前を向いてボールを持ったときは、兵働・谷澤・大塚よりもプレーの幅があってワクワクします。これでケンペスに決めさせるラストパスが出せるようになったら、完全にチームの顔になれると思います。大塚は今節もケンペスに決定的なパスを供給するなど、毎試合コンスタントに「決めるだけ」のラストパスで魅せてくれていると思います。課題としては攻撃時にケンペスとの位置関係が悪いケースが多いことでしょうか。ケンペスだけでなく、井出や谷澤とフィニッシュのシーンで「被る」というシーンが減れば、自然と結果がついてきそうな気がします。

  さて次節は難敵の京都をフクアリに迎えます。前半戦を終えたときにきっちりとプレーオフ圏内に入っておくためにも、絶対に勝ち点3が欲しいです。攻撃陣には工藤・山瀬・大黒といった技術と経験を兼ね備えた実力者が揃いますが、守備陣に安定感がなくジェフと同じくらい中位を彷徨っています。福岡戦よりはチャンスも多く作れそうな予感がします。負けたら「チェンジ」がルールと成りつつあるジェフのスタメンにも注目したいです。


福岡1−0ジェフ   得点者 (福) 金森

  

2014年6月7日土曜日

谷澤達也&テクニカル・ボーイズはどこまで通用するか? (第16節愛媛FC)

  ゲーム序盤での「つば迫り合い」から、最年少の井出が物怖じせずにアジリティを発揮して、完全にジェフペースのままの90分でした!見ていてジェフのパスワークに「ワクワク」するも、相手ゴールキーパーの奮闘でセットプレーからのケンペスの1ゴールのみに終わったことに課題が残ります。それにしても井出の「リードオフマン」的な働きは素晴らしい!ジェフの他の選手も自然と躍動を始めます。さらに実質的に「ルーキー」のプレーヤーにここまでやられたら、どんな相手でも浮き足立ちますよね・・・「誰だアイツは?」未知なるプレーヤーに対する恐怖感はジェフも痛いほどよくわかっています。昨年の幸野選手(長崎)や清水選手(岡山)に遭遇した時には、チームの混乱ぷりが・・・。

  「谷澤の法則」というのがありまして、本人も無意識にやってしまっているクセなのかもしれませんが、「足元が下手な選手にはパスを出さない」傾向があります。ちょっと失礼な話になりますが、テクニックよりもスピードやパワーに長けているケンペスや田中が、谷澤からのパスで決定的なシーンを迎えるのをあまり見た事がありません。その一方で井出の決定機のほとんどは谷澤からのパスだと思います。そもそも去年までの谷澤にパサーとしてのイメージなどほとんどありませんでした。両SBの米倉・高橋へのパスは、谷澤の選択肢では一番下に置かれているかのように、積極的ではなかったですし・・・。

  ましてや谷澤と逆のサイドでプレーする事が多かった田中とのパス交換なんてほとんど無かったのですが、今年に入って反対サイドを務める井出へのパスは多いのです。これじゃあケンペスや田中がイライラして自分のプレーができないのも納得です(昇格できないのも・・・)。さて井出が谷澤とのコンビネーションで頭角を現し、さらに中村も谷澤のサポートを受けて伸び伸びと左サイドを駆け上がっています(パスが来ないことも多いですが・・・)。

  さらにベテラン谷澤の秘めたる能力を引き出しているのが、「天才トラッパー」大塚で、谷澤がボールをこねくり回す展開に陥らないように、素早くポジションを寄せます。町田に勝るとも劣らないセンスでワンツーを返してくれる大塚は、谷澤にとっては井出と並んでお気に入りのようで、谷澤の選択には「中村よりも大塚」という傾向が見られます。大塚・井出と2列目を形成する谷澤にとっては、まさに「谷澤軍団」みたいなやり易さを感じているように見えます。

  しかも「谷澤軍団」はベンチにも控えていて、最近ではリードしている展開でも町田・山中・ナムスンウという「ベンチ谷澤軍団」が投入されることが多いです。ただし井出や大塚よりも先に谷澤が交代になることもあるので、親分・谷澤と十分に絡めないメンバーもいて「軍団」の実力の全貌はまだ明らかにされていません。「軍団」の5人の若手プレーヤーはいずれも類希な才能を持っているのですが、なぜか谷澤がピッチからいなくなると、突然に機能しなくなったりします。なんとも不思議な「谷澤現象」だなと思います。

  さて、「オレたちって、間違いなくJ2で一番上手いよね!」とか言ってそうな、ナルシストなプレーを連発する「軍団」ですが、まだ半分以上の日程が残るシーズンを最後まで自信満々に突き進むことができるでしょうか?主導権を握られて完敗したジュビロや湘南相手に見事に雪辱してくれるだけのポテンシャルはありそうです。親分・谷澤が試合に出られなくなった時がちょっと心配ではありますが・・・。


ジェフ1−0愛媛  得点者 (ジ) ケンペス

2014年6月6日金曜日

大岩一貴 の力が発揮されるポジション(第15節横浜FC)

  いよいよチームが本格化してきたところで、エースの出場停止で・・・スコアレスドロー。横浜FCのCBコンビ(ドウグラス選手と野上選手)の高さとスピードに、ジェフのテクニシャンばかりを集めた攻撃陣では「歯が立たなかった」印象は否めません。「香川真司」を前線に4人置いたチームがあったとして、それが欧州で通用するか?というと絶対に無理だと感じてしまいますが、今回のジェフの闘いぶりはまさにその「実験」を実際にやってしまいました(そして見事に失敗しました!)。

  ジェフの首脳陣の一人である江尻コーチは、バルセロナが欧州の権威だった頃のサッカーにかなり傾倒していると言われています。もしかしたら、「J2のバルサ」を気取ったスタメンだったのかもしれませんが、いくら才能豊かとはいえ、メッシやイニエスタのように個人の力でいくらでも打開できるほどの「絶対的サッカーセンス」があるか?といわれれば・・・残念ながらそこまでは達してないです。一番バルサらしい動きができるのは、ベンチに座っていた山中選手じゃないかという気も・・・。

  それでも全くノーチャンスというわけでもなく、2−0くらいで勝っていてもおかしくなかった。兵働・谷澤・大塚・町田の4人が欧州サッカー並みのミドルシュートの射程と正確性を持っていれば、ジェフがかなり実現できている高い「ポゼッション」率がそのまま圧倒的な破壊力につながりそうな予感はありますが・・・。ポゼッションに関しては、兵働&佐藤(健)の「ダブル・レフティ・ボランチ」が今のところは効いています。相手チームも守りにくくて仕方がないといった感じです。

  さらに左サイドを制圧する中村は「1対1の強さ」を武器にジェフの原動力になっていますが、ここ数試合で右SBを務める大岩が伸び伸びとアタックを仕掛けるようになり、両翼のバランスがとれてきました。大岩もドリブル技術こそ中村には及びませんが、持ち前の身体能力で相手のプレッシャーに怯まず、高い位置でもボールを支配できています。右足のクロスならば精度も中村に劣らず素晴らしいものがあります。さらに今年に入って(去年もだけど)相手のカウンターからの失点を重ねていた右サイドも、大岩とキムヒョヌンがことごとく防いでいて、驚くほどにピンチのシーンが減りました。もちろん決定的チャンスを作られることもありますけど、あの湘南戦での屈辱的な敗戦を喫した頃の守備とは見違えるほどです。

  江尻コーチが監督を努めていた頃から、追い求めていた「ジェフのバルサ化構想」に対してファンからも「身の程を知れ!」みたいな批判も浴びせられましたが、今改めて、鈴木=江尻体制の元で集められた選手達(山中・中村など)を見て、「何かを期待するのも悪くないかも!」といった気持ちが湧いてきます。さらなる「バルサ化」に向けて、やはりプジョルやピケのような「最終ラインのスター選手」を育てる必要がありそうです。CKからの決定力や、こぼれ球を相手ゴールに叩き込むミドルシュート、最終ラインからのロングフィードで決定機を演出するといった「華々しい活躍」ができるディフェンダーが求められます。

  前半終了直前に見せたキムヒョヌンのミドルシュートもこれまでには見られなかったプレーです。Jリーグ初ゴールを決めてからいよいよ自信を持ったプレーがどんどん期待できそうです。そしてなによりプジョル、ピケと言えば「1対1」における圧倒的な強さです。キムヒョヌンと大岩この2人が今後のジェフのさらなる進化を担っていると感じられるゲームでした・・・。


2014年5月18日日曜日

井出遥也 がフクアリで跳んだ!(第14節コンサドーレ札幌)

  ゲームの最初でいいプレーをした選手は、やはり活躍する確率が高まる。この試合のヒーローだった井出遥也の最初のプレーは、7試合目の出場で初めてといっていいほどに、才能に満ちあふれたものだった。開始早々に札幌の押し込まれて嫌な雰囲気になりそうな中で、相手に囲まれつつも浮き球で大塚翔平を走らせたパスから決定的なチャンスを作った。この1本の美しいパスがジェフと井出に完全にスイッチを入れたように見えた。

  井出の芸術的パスに刺激を受けた、天才肌の谷澤と大塚が次々と相手の裏を狙うパスを通す。ガンバの二川選手がピッチに3人もいるぞ!と錯覚するような「3Dパス」が乱れ飛ぶ。これではいくらフィジカルで上回る堅守の札幌DF陣もガタガタに・・・。過去数年、札幌相手には「完封負け」のイメージがつきまとっていたが、前半34分に見事な谷澤の「3D」から井出が決める!去年までは田中佑昌が何度となく決めていた形だけど、おそらく今年初の裏への飛び出しゴールだったように思います。中村のクロスにファーで谷澤がスーパーボレーというのはありましたけど・・・。

  今年のジェフは山中のスーパーミドルに始まって、谷澤のループ、大塚のループと絵になるスーパーゴールが例年よりも多い印象ですが、やはりこの井出のJ初がゴールのような完璧なコンビネーションゴールこそが、チーム力を象徴するんじゃないかと思います。一昨年まで在籍した藤田選手(現横浜マリノス)が兵働選手のパスからゴールを量産した木山サッカーは、当時のJ2では屈指の強さを持っていたのが懐かしいですね。

  チャンスこそ作ってもなかなか得点につながらない攻撃は心配ですが、この試合では最後まで守備陣は集中力を切らすことなく、これまで幾多のミスを重ねて来た右サイドも右SBに大岩でCBにキムヒョヌンという布陣で完全にシャットアウトしていました。ただし今日に関しては札幌にキレのある動きをする選手が少なかった部分もあるので、今後の試合が試金石になっていくでしょう。前線の選手が次々とチャンスを作るので、配給役に徹した兵働が「ジェフのピルロ」と言える安定感を誇っていました。

  ボランチにフィジカルのある選手を求める声が多いようですが、やはり「上手い」選手が務めることで、チームのバランスはさらに良くなりますね。大塚・谷澤・井出といった技巧派を揃える2列目にとっては早いタイミングでボールを送ってくれる兵働の出来いかんで輝きが変わってきます。もちろんもう一人の佐藤健太郎も前節に続いて好調をキープしていて、抜群の安定感のつなぎをこなしました。

  最後に待望の追加点を演出した大塚が好調のチームを象徴しています。90分を通してほとんどミスは無かったですし、ケンペスへのアシストも今シーズン2点目で、ケンペスを上手く使える選手として森本や町田をリードしています。そして谷澤も兵働もトラップの上手い大塚とのプレーはとても楽しそうな様子で、チームにとても良い影響を与えています。他にも町田・山中・ナムスンウといった技巧派との連携も今後は期待できそうです。

  さて次節はケンペスを出場停止で欠く横浜FC戦です。田中を代役に立ててのスタメンが予想されます。それでもベンチに町田・山中・ナムスンウの豪華3本立てなので、特に影響なく闘えるのではないでしょうか。「0トップ」による激しいポジションチェンジと「3Dパス」が乱れ飛ぶエキサイティングな試合を期待したいです。


ジェフ2−0札幌   井出、ケンペス(ジ)

佐藤健太郎 の調子が上がってきたぞ! (第13節モンティディオ山形)

  今年のジェフは何かが違う。4年連続で昇格を逃してきても尚、J2屈指の戦力の戦力と言われてきたが、選手達が自信を失っているようなシーンが多く見られるようになった。J2を史上最強のペースで快走する湘南に0-6で敗れた時だけでなく、他の試合でも自信を喪失しているかのようなプレーが目立つ。

  去年まではほとんどの試合のほとんどの時間で、試合終了まで勝利の可能性を見る事ができた。しかし今年は・・・残念ながら開始10分で早くも焦りが見え始め、さらにそこからミスが続くと、「敗色濃厚」な雰囲気さえ漂い始める。応援している側も「負けてもいいから思い切ってやれ!」みたいな声を発したくなるほどだ。

  開幕からメンバーが固定できず、連携面でのチグハグさがチームの自信を失わせていた。去年は中盤より前の選手では、ケンペスと佐藤健太郎が不動のレギュラーだったわけだが、今年はどちらも開幕からコンディション不良。これでは去年の「何となく手堅い」「どんな相手にも力負けしない」といったジェフの良さが感じられないのも仕方のないことだろう。

  ただ幸いな事に、去年のチームの顔だった米倉の穴は中村太亮が見事に埋めてくれた。彼のサイドでの安定感にチームは救われている。去年まで在籍した古巣・山形を相手にこの試合でも見事な存在感で左サイドを制圧し、さらには見事な先制ゴール(恩返し弾)まで奪った。相手チームも対策が進んでいて、最近では中村がボールを持つと2人で獲りに行くシーンが目立つ。比較するのは少々失礼だが、昨年の左SB高橋峻希よりもボールを持ったときのプレーの幅は広い。その一方で守備力は高橋の方が上だった気もするが・・・。

  この試合の中村はいつも以上に気合が入っていた。そして佐藤健太郎も古巣相手に闘志を燃やしていた。勝てなかったことは残念だが、内容は今シーズンでも1、2を争うほどに良かった。最近になってゴールが増えたケンペスと佐藤健太郎が復調したことで、「手堅い」ジェフが戻ってきた印象だ。そしてスーパーサブの町田也真人も良かった。なかなか入って最初のタッチであんなスゴいパスを出せる選手はいない。間違いなく天才だ。終盤で得点が欲しい時に、町田と大塚翔平が共存したらかなりの破壊力が期待できる。パスとトラップの技術ならばJ1の選手にも負けないレベルだ。この2人が狭い所でもお互いにパス交換をすれば相手DF陣も浮き足立つから、ケンペスにチャンスが増えるはずだ。ジェフにとっては悔しい引き分けだったけれども、チームとして大いに自信を深められる一戦だったと思う。


山形1−1ジェフ  比嘉(山) 中村(ジ)

2014年5月11日日曜日

2点先制されてから始まるサッカーなんて・・・(第12節FC岐阜)

  こんな言い方してはいけないですが、これはこれで「面白い」! 相手に2点のハンデを上げる・・・そこから追い上げるのが、これ以上ないくらいにスリリングで見ていて最高に面白いです。2試合連続して2点を献上しましたが、さすがに3点目はマズいとばかりに大岩や岡本の表情が引き締まります。そこから2試合合計で5ゴールぶちこんで反撃したわけですが、大塚の美技ゴール以外は外国籍選手によるもの。連戦の疲れもあってか谷澤・兵働の2枚看板は相手を圧倒するほどの集中力をなかなか発揮できず・・・それでも相手を押し込む底力はまだまだありますね。

  オサスナやマジョルカといったスペインリーグで下位のチームに2点先制されたレアルやバルサが取り返しにいくくらいの迫力があります。2点先制されているのに、不思議と負けている気がしないほどに連続して繰り出される波状攻撃。追いつくのも時間の問題だろうというヘンな確信すら起きる。そういえば去年もこんな後半全開のサッカーをやっていた時期があったっけな。これこそが鈴木サッカーの神髄なのかも!?追いついて逆転したときに感じる「カタルシス」はファンとしては至上の喜びなのは間違いない。

  さて今節は最後の最後で森本が決めていればシナリオ通りだったのですが、セリエAでゴールを量産した時代が遠く霞むような幕切れでした。残り5分で登場したナムスンウもちぐはぐなパスミスを連発して、ちょっと水を差したかも。もはや相手DFはギリギリだったのだから、早いタイミングで森本とケンペスに50:50のボールを供給すれば、空中でもグラウンダーでも競り勝ってくれそうな予感で、監督もナムスンウのダイレクトパスに期待していた節もあったと思うのですが、結局2回のタッチでボールロスト2回という残念な結果に終わってしまいました。今季初出場で残り5分の出場ではやむを得ないですが・・・。

  前節の群馬も今節の岐阜も後半にチームの戦闘力が大きく落ちていたわけで、このレベルの相手を確実に仕留められないのは「大問題」だと思います。去年までのジェフならば大差で2連勝していたでしょう。J2での二桁順位という未知の領域でさまよい続けるチームを牽引して、プレーオフ圏内へ導いてくれるのは誰か?できれば2位になってくれると有り難いですが・・・。

  さて次節はモンテディオ山形とのアウェーゲームです。今季から新加入したJリーグではおなじみのディエゴが、チームの中心となって躍動していて恐いです。これまでの相手には見られなかった個の力がみなぎるディエゴを誰が止めるのか? 田中佑昌とキムヒョヌンが2人がかりで行っても止められるのか? 今回もまた2点献上してしまったら、やや苦手意識がある山形が相手のアフェイですから、選手が意気消沈してしまいそうな予感。こうなったらナムスンウを先発させて、なにが何でも先制点を目指すしかないか・・・・。


岐阜2−2ジェフ  得点者 比嘉・田中 (岐)   ケンペス2(ジ) 

  

  

  

2014年5月4日日曜日

中村太亮 と キムヒョヌン の熱いハートに最敬礼!(第11節ザスパクサツ群馬)

  例年、GWの連戦は成績を落とし易いジェフ。しかし今年はJ25年目にしてとうとう「成績を落とす」という表現すら使えなくなってしまいました。懐かしい秋葉監督率いる群馬はローテーションなのか成績不振でのメンバー変更なのかわかりませんが、コンディションはそこそこ整っている様子。ジェフ時代は右サイドにスポット起用されることが多く結果を残せなかった青木考太が、連戦の疲労か動きが緩慢な大岩を軽く振り切って先制される・・・また「お礼参り」か。再三のチャンスを決められないまま、逆に青木に決められたショックでジェフの動きが急激にトーンダウン。

  さらに青木のチャンスメイクからもう1点奪われ、画面に大写しにされる山口(智)、谷澤、兵働の暗い顔。しかし「青木考太って誰やねん!」といった感じの両SBが2分後に1点を返す!完全にこの1点でチームは甦りました。FKキッカーの中村太亮とJ初ゴールのキムヒョヌン。「兵働のキックをケンペスの頭」ではなく、「中村のキックをキムの頭」これが今後のジェフの生命線になりそうです。まあ兵働の右CKも精度の高いいいクロスなんですけど。

  今日2アシストの中村太亮はこれまでのところチームの得点のほとんどをアシストしていまして、去年アシストを積み重ねた米倉を凌ぐペースで見事に穴を埋めています。新加入でまだシーズンの「前半の前半」ですが、完全にチームの「中枢」になってますね。FKのキッカーだけでなく、ダイナミックなフォルムでのドリブル突破もチームで1、2位を争うほどの切れ味! 谷澤・山中・井出といったジェフ自慢のドリブラーに全く劣りません。今後は左SBながら相手から厳しくマークされる存在になりそう、もし中村に怪我でもあれば今シーズンのジェフは「完全終了」でしょう。

  重苦しい雰囲気を打ち破る大殊勲のゴールを奪ったキムヒョヌンも、これで憑き物が落ちて大化けしてくれそうな予感があります。身体能力の高さはジェフDF陣でもナンバー1ですし、今日も押せ押せムードの後半に何度か喰らいそうになった相手のカウンターを後ろから追いついて潰していました。山口(慶)キャプテン不在だとカウンターを気迫で止めてくれるタイプがいなくなるので、キムの存在は大きいですね。去年はJリーグのファウルの基準がよくわからないで激しいチャージに行って退場なんていうシーンもあり、不安定さがありましたが、2年目の今年はかなり適応している印象です。

  そしてやはり触れなきゃ行けないのは、同点ゴールの大塚翔平ですね。彼の美学が爆発したような「プロフェッショナル」なゴールを決めてくれました。谷澤・田中・町田・井出を見ていて物足りない「なにか」をサポーターにはっきりと解らせてくれるゴールでした。前節までの10試合でこの4人がこんな形で何度チャンスを得ていたか・・・それぞれ1回や2回じゃないと思いますよ。兵働がボランチに君臨すれば、やはりこういう形がかなりの頻度で作れるわけです。大塚はそれを1チャンスで決めてみせた!

  もちろんチームのバランスもあるでしょうけど、他の誰も持っていない能力を簡単に発揮できる選手をベンチ・ベンチ外に置き続けた首脳陣はやはり「反省」すべき。こんなゴールを決める選手がいれば相手も守りにくくなりますし、ケンペスや森本と組ませれば「シャドー」としてゴールを量産してくれそうです。中村のクロスにケンペスや森本が合わせ、そのこぼれ球を大塚!なんてシーンがジェフのゴールパターンとしてかなり強く想像できるのですが・・・。

  さて次節は岐阜です。タイトな日程ですがなんとか連勝でGWを終えて欲しい!ケンペスもゴールして気分が良くなっているでしょうから、スタメンは悩みどころ。田中を外して大塚だと守備面に不安が残りますし、森本も前線での守備を考えると外せなくなってきました。本人もなんとかゴールを決めたいと必死になっているでしょうから、もう1度チャンスを上げてほしい。谷澤・兵働も疲労度合にもよりますが、彼らのクリエイティビティあって大塚が生きる展開なので外せず・・・。やはりスーパーサブかな。もう一人の隠し球ナムスンウの復帰と、ここ数戦をベンチで試合を見た町田の才能と奮起にも期待したいです。


ジェフ3−2群馬  得点者 (ジ)キムヒョヌン、大塚、ケンペス  (群)青木考太、瀬川
  

2014年5月3日土曜日

森本貴幸は確かに燃えていたが・・・(第10節ジュビロ)

  ちょっと古い話ですが、ジェフが初めてナビスコ杯で決勝に進出したときと相手がジュビロでした。Jリーグが始まって初めてのタイトル獲得を予感させる決勝戦をテレビの前でワクワクしながら見ていた記憶があります。当時最強の名をほしいままにしたドリームチーム「ジュビロ」の中盤には藤田・名波・奥・服部のカルテットが君臨してましたが、ジェフもマスロバル&スコルテンというワールドクラスの選手を攻守の中心に据えていて、そう簡単には力負けはしないだけの強さがありました。最終ラインには山口(智)がいました!

  「マスロバルのコンディションさえよければ勝てるかも!?」という期待も虚しく、やや集中力を欠いていたマスロバルにがっかりしたことをよく覚えています。川口というスピードのあるFWに先制点を取られて浮き足だったところを、さらに奥に追加点を決められて、集中が切れてしまい大量4失点を喫してボロ負けしました。当時のジェフは全てがマスロバル頼みだったので、コンディションがはっきりと悪いならばこれも仕方がないこでした。それにしても「もったいないな〜」当時はもう二度と「決勝」なんて舞台までやってこれないんじゃないか?とか思ったものでしたが。

  まだまだジュビロには勝てないな、あと10年もすれば勝てるようになるかなと思っていたら、数年後のYAMAHAスタジアムでは村井の電光石火のアーリークロスに崔龍洙が合わせるという、強烈な攻撃力でジュビロをねじ伏せたのにはびっくりしました。あのころの外国人プレーヤーは頼りになる存在でした。あの頃はジェフが連れてくる外国人はみな優秀でしたが・・・。

  さて久々なジュビロ戦を迎えました。相手は・・・やはりキラ星の如く豪華メンバー。ブラジルW杯への選出もありそうな、駒野・伊野波。ついこの前まで代表のエースだった前田。南アフリカW杯で不動のレギュラーだった松井(森本は全試合ベンチだったな・・・)。さらによく動くブラジル人と韓国人による助っ人。今のジェフではジャイールと米倉を加えても太刀打ちできないくらいの豪華メンバーです。

  2トップになってから、ケンペスが下がってボールを受けるシーンが目立ちましたが、同時のそこでロストすることが多いなぁ・・・。ボールを止めてから次の動きへの動作が緩慢で、相手にすぐに囲まれてしまいます。同じことが田中にも言えて、リズムをつくりたいところでミスが出て相手ペースになってしまうのが気になります。この辺がジェフの現在の最大の弱み。

  ただ最前線に位置していた森本は、味方の度重なるボールロストにイライラしつつも、攻撃を分厚くするためにバイタルエリアで必死に体を張って、奪われたらすぐに奪い返すという相手DFが嫌がるプレーが出来ていたように思います。クロスから2回ほどいいヘディングシュートもありましたし、1点でも奪えていたら良かったのですが・・・。

  さて次節はザスパクサツ群馬ですね。泥沼の5連敗中ですが、連敗ストップを期して強い気持ちで襲いかかってくることでしょう。ジェフにとってはなかなか嫌なタイミングでの対戦ですね。とりあえず序盤から猛攻を仕掛けてさっさとゴールを奪ってしまえばいいわけですが、兵働・谷澤は連戦の疲れがあるでしょうし、トレーニングゲームに復帰したナムスンウのいきなりのスタメン抜擢もあるかもしれません。ナムとの連携に優れる大塚をスタメンで使って森本と2トップなんてどうでしょうか?

ジュビロ2−1ジェフ  得点者 ポポ・前田(ジュ)

2014年4月29日火曜日

ケンペスがブレーキでは勝てないです!(第9節カマタマーレ讃岐)

  さすがに悪い流れが断ち切れないということで、スタメンはおろかフォーメーションを弄ってきました。GKは岡本。DFは右からキムヒョヌン・大岩・山口(智)・中村。MFはフラットで4枚になり右から谷澤・佐藤(勇)・兵働・井出。FWは2トップでケンペス・田中。結果論で言えば試合を支配できるだろうという甘い目論見が完全に外れて、一歩間違えばホームで屈辱すぎる連敗を味わうところでした。

  前半押し込まれてみて、兵働・佐藤(勇)のダブルボランチは守備でのチームを助ける動きが少ないなと感じます。良いゲームをするジェフは地味なところで山口(慶)が相手を遮断したり、佐藤(健)が粘り腰のマークを見せたりしていて、「守備のいいプレー」が目立つことが多いのですが、この試合は失礼ながら相手の決定力の無さに救われました。

  とりあえず右SBはキムヒョヌンを起用するのが現時点ではベストな選択に思います。しかしケンペス・大岩・キムヒョヌン・山口(智)の4枚が飛び込むCKを10本以上放って、1ゴールも奪えないのは「不運」じゃ片付けられないモヤモヤを感じます。前節の富山戦ではショートコーナーを使わざるを得ないほど高さが不足したわけですが、結局は高さがあればいいというわけでもないみたいです。讃岐の守備はCKを獲り易いから「高さ重視」のメンバー構成というベンチワークは素晴らしいのですけど。

  ジェフファンは監督やフロントへの批判が目立ちますが、スポンサーと力を合わせて「田中」「中村」のような優秀な選手を指名買いして即戦力として活躍もしているわけですから、そこまでフロントが悪いとは思いません。鈴木監督にしても、J2チームで複数の実績ある選手をベンチあるいはベンチ外にしなければならないという難しさが、ジェフというチームにはあると思います。

  私も1人のファンとしてとても言いにくいのですが、監督でもフロントでもなく、やはり選手自身が「サッカーでメシを喰う」ということの意味を自覚し、「自分が大活躍して勝つんだ!」という気持ちが伝わるようなプレーを見せてもらいたいです。前節に対戦した富山の中島選手はレンタル選手ながら「オレがこのチームを支えている!」という気迫に満ちたプレーを見せてくれました。敵チームながら「天晴れ」なほど1人で何度もチャンスを演出していました。

  去年のジェフには米倉がいました。彼のサイドアタックには客をスタジアムへ呼び寄せる「プロフェッショナル」なオーラがありました。今年のジェフには一体何を見ればいいのでしょうか? もちろん谷澤は例年になく調子が良さそうですし、兵働が魅せる「ファンタジー」もよくわかっていますが、毎試合で全力プレーを「約束」してくれる米倉の魅力はとても大きかったなと・・・残念ながら今年のサポーターは痛感しています。

  米倉はJ2で1年目の江尻政権時代にメンバー入りするようになりましたが、スタメン起用に2ゴールで応えても、当時の攻撃的MFの異常なまでの層の厚さから、次節にはベンチということもありました。J2の2年目で谷澤がFC東京に出てから不動のスタメンに名を連ねるようになりましたが、江尻監督の時代は「12試合で5ゴール」挙げていながらも、十分に信頼を勝ち取ることができませんでした。いまのジェフでこれだけの成績を挙げていたら間違いなくチームリーダーの器じゃないですか?

  これだけの成績でも満足に試合に出られない厳しい環境にいたからこそ、あれだけのスター性のある選手に成長のでしょうね。同じポジションでまるで寵愛されているかのように起用される町田・井出の両選手が米倉レベルにまで達するには、やはり自覚が必要なんじゃないかと思う訳です。(上から目線で失礼しました・・・)

  さて次節はジュビロ磐田戦です。讃岐戦と磐田戦である程度のターンオーバーを考えているのかもしれませんが、町田・大塚を同時に温存するのもちょっと腑に落ちません。森本のスタメンはありそうな気がしますが、誰かが口火を切るゴールをこじ開けないといけません。そろそろ臨時キャプテンの大岩に「大車輪」の活躍を期待したいところですが・・・。


ジェフ1ー1讃岐   得点者 谷澤(ジ) アンドレア(讃)

  

2014年4月21日月曜日

田中佑昌 のスピードにみんな合わせろ!(第8節カターレ富山)

  いやーそれにしても中島翔哉選手はスゴい!19歳の選手とは思えないくらいに、自分のプレーの有効性がよくわかっています。ジェフの20歳井出揺也もテクニックでは負けてないのですけど、足元でボールを止めるスタイルのプレーがどうもドリブラーとしての魅力を半減させてしまいます。今日の2列目は全体的に酷かった・・・。谷澤は悪い頃の「軽いプレー」が随所に飛び出し、大チャンスを大ピンチに変えてしまい味方の士気を下げるようなプレーが多かった。

  そして絶不調と言っていいくらいに長いトンネルから抜け出せない町田。なんだかどんどん自信を失っている様子。ファンとして勝手なことを言うと、ここは一旦大塚にレギュラーを奪われて再び奮起しないときっかけが見えないのではないかと思えるほど・・・。代わって入った大塚も対してプレッシャーもきつくないのに何も出来ない。これはお金を払ってスタジアムやスカパーで見てる人は怒っていいほど。ファンからは右SBの天野に対して辛口な風潮があるようですが、今日のジェフの中盤のボールロストっぷりは「酷過ぎ」で、あれだけ連続してカウンターを喰らってよく1点で済んだなと幸運を感じるレベルでした。

  あまり戦術的なことに口出しすべきではないですが、ジェフはサイドでプレーしたい選手が渋滞を起こしていて、それでもゴリゴリと細かいパスなどで前へ行こうとします。たとえ個々の技術で勝って前にすすめたとしても、ショートパスとドリブル突破でやっとサイドをえぐるだけですから、相手は少ない人数で前を塞げますし、真ん中でマークを付けて守ればいいだけですので大した脅威にはなりません。今日のジェフのチャンスはほとんどが富山にマークさせる暇なく、ゴール前へ入れていった速い攻撃ばかりでした。

  しかしこの「速い」攻撃が今日は最前線に田中を配する布陣ではとても有効で、田中選手はトップスピードで飛び出しても、そこからダイレクトでゴール前につなげる「粘り越し」はチーム最強レベル。走りながらのプレーなら町田、井出よりも正確で味方につなげたり、フィニッシュに持ち込む能力は断然に高いように感じます。ワイドに両サイドを使うことが出来るジェフとしては、中盤の底から兵働が、あるいは最終ラインの山口(智)と大岩が一気に、田中の前方にロングボールを供給する形が良い時のジェフでした。

  富山は引いてスペースを与えない戦術でしたが、相手から見て読み筋のサイド攻撃に依存するのではなく、もっと怖がらずに真ん中に縦パスを入れて、相手の守備を引きつけながら、敵陣深い位置で中村、天野がサイドでボールを受ける形がジェフの最も得点の匂いがした瞬間でした。天野はゴールに近づくとジェフの他の選手よりも大胆なプレーが出来るので、相手にとってはかなり恐い選手です。あまりにも得点不足に悩むようなら右サイドの2列目で使ってもいいかもしれません。

  それにしても前節に引き続き低調なゲームだったように思います(怒)。次はなんと恐るべきカード!フクアリでの讃岐戦。こんなことは想像してはいけませんが、東京ヴェルディ、カターレ富山と今期低調なチームにことごとく勝ち点を献上してきたわけで・・・、まさか讃岐にJ2初勝利をプレゼントするなんてことはあってはならないわけですが・・・。ここにきてチーム作りは振り出しに戻った感じが。それでも山口慶キャプテンの不在の中チームを最後方から鼓舞し続けた、ジェフのナンバー「2」大岩一貴。相手の韋駄天小僧(失礼)・中島選手の突破にも動じずに落ち着いてゴール前を固める姿には「カタルシス」すら感じました!今後に大きく期待したいです!


試合結果 富山1ー1ジェフ 得点者 中村(ジ) 大西(富)
  

2014年4月13日日曜日

やはり 大岩一貴 の存在は大きかったんじゃ?(第7節湘南ベルマーレ)

  結果論に思われるかもしれませんが、スタメンを見てちょっと嫌な予感がしました。GK岡本 DF天野・キムヒョヌン・山口(智)・中村 MF山口(慶)・兵働・谷澤・町田・井出 FWケンペス とまあ予想通りの布陣なのですが、今回の相手は目下6連勝中で破竹の勢いの湘南。今シーズン初めてコンビを組む「天野とキムヒョヌンの連携」だったり、激しいプレス合戦はまだまだ未経験に近い「井出の起用」など守備に不安要素が多いように感じました。それにしても「0−6」という衝撃の結果までは予想できませんでしたが・・・。

  本日出場停止だった大岩一貴というプレーヤーがいかにチームに落ち着きを与えていたかがよくわかるゲームだったんじゃないかと思います。ド派手な攻め上がりとハードワークな守備は確実にジェフの攻守に厚みを加えていました。まだ得点こそありませんでしたが、彼のオーバーラップは着実に相手ゴールに迫っていましたし、兵働、町田といった奇才パサーが揃い踏みするチームにとって、彼の攻撃参加はパスの選択肢を増やしますし、相手守備も相当に混乱させます。大岩が出場できれば、違った結果になっていた!とは言いきれませんけど。

  1点目、2点目と懸念していた右サイドから崩されて立て続けに失点。クロスかシュートのどちらかをブロックできていれば生まれなかった2点ですが、いずれの守備機会も負けてしまうのですからこれは大きな問題。クロスやシュートへのブロック力にかけては抜群の大岩がいれば・・・。一方で代役のキムヒョヌンはカウンターを仕掛けてくる相手の2トップをマンマークする能力はチームトップクラスだと思いますが、湘南のように人数をかけて攻めてくる相手はちょっと苦手な様子。今日もマークがズレる展開でシュートブロックがことごとく空振り。大量失点はキムヒョヌン一人のせいではもちろんないですが、彼が湘南の攻撃に対し無力だったことは確かです。

  攻撃陣も情けないことに、ケンペスのヘディングシュート以外は枠の中に飛ばすこともできない。前半は町田が溜めて、左の中村からクロスという攻撃が効果的でしたが、湘南の修正は早く、ボールを持ちたがる井出、中村に「持たせて」速い攻撃を封じる守備を展開。井出、中村の才能で単発的に切り込むことは出来るけど二度と同じことはやらせてもらえない。そして頼みの兵働は最初から最後まで完全にマークされていました・・・。相手の監督に完全に分析されていたのがよく分ります。湘南は6連勝にも関わらず、ジェフの攻撃を封じるためのスタメン変更をしていたようです。

  ジェフのサッカーをやって潔く勝負しよう!という気持ちもわからなくはないですが、こちらにもいくらでも作戦を立てることができたと思います。各選手のコンディションなど細かいことはわかりませんが、絶対に勝ちたいなら相手の勢いを削ぐために撹乱戦術があっても良かったと思います。特に大岩の出場停止という緊急事態なわけですから、GK岡本 DF山口(慶)・田代・山口(智)・中村 MF佐藤(勇)・キムヒョヌン・谷澤・町田・田中 FW森本 といった守備的なスタメンに、後半途中から兵働・山中・ケンペスを投入して勝負に出るというくらいの手堅さがあっても良かったように思います。

  最後に絶望的な得点差の中でも特に気概を持って飛び出しのプレーで最後まで1点を狙いにいった山口(慶)キャプテンの責任感には心を打たれました。もしこのキャプテンが右SBに入っていたら、むざむざと失点を重ねることはなかったんじゃないですかね・・・。プロスタメン1試合目が退場。2試合目が大敗。と伝説的なデビューを飾りつつある井出もふてぶてしいまでの才能を随所に発揮していました。再びジェフから日本代表選手が生まれる日も近いのではないですかね。

2014年4月6日日曜日

負けるな大岩!チームを支えているのは君だ! (第6節水戸ホーリーホック)

  連勝!谷澤の連続ゴール!そして連続の退場者!ジェフの「闘志」と「技術」が相手を上回った前節、今節にサポーターは大満足でした。兵働&谷澤のベテランコンビが大車輪の働きで、まだまだ経験不足な若手選手に勇気を与え、「チーム力」の高さを十分に実感でき今年こそは悲願のJ1昇格もプレーオフ無しで達成できるのかも!?

  4~5点は取れていそうな前半に、ド・カウンターを喰らって追いつかれ、ジェフにとって最大の敵である「下を向く」時間が前半終了まで続きました。水戸もそれほど攻撃にバリエーションが無く、ひたすらにFW三島に合わせるだけ。それでも天野とのマッチアップに当然ながら空中戦で全勝し続けて、ゴール前はヒヤヒヤ・・・。逆に天野が負け続けたおかげで水戸の攻撃が単調になったという見方もできますが、後半にはPKも取られてますし、あまりジェフにとっては良い戦術ではないです。

  攻撃陣はまだまだ町田と田中が迫力不足で、まったく怖さがない。現実的に有効な攻め手は中村がサイドをえぐってからのクロスと、ケンペスがサイドに流れてから「無双」しながらボックスに突入するという2つの形のみ。前節はこの形で2ゴール。今日も2点目はケンペスのキープから谷澤のミドル。シュートを外すイメージこそありますが、なんだかんだでケンペスは2試合で1ゴール2アシストの大活躍!これでは森本を投入する時間もなかなか取れません。

  谷澤、兵働、ケンペスに加えて、PKを止めた岡本と、随所に好プレーが光るキャプテン山口慶と、「アラサー」プレーヤーが連勝の立役者となりました。ちょっとサポーターの怒りを買ってしまったのが大岩でしょうか。ここ数試合では絶好のチャンスで決め切れず、失点に絡む(CBだから仕方ないが・・・)プレーことも。今日はさらにPKを取られ、挙げ句の果ては退場。なかなか運がないなと感じてしまいます。

  CBにも関わらず流れのなかで最前線まで攻め上がりゴールまであと一歩!みたいなダイナミックなDFがかつてジェフに居た事があったでしょうか? それこそ中西永輔と阿部勇樹がCBを務めた時くらいしか見られなかったプレーです。中西も阿部もどちらもジェフの「象徴」として一時代を築いた名選手なわけですが、どちらもジェフ3年目ではまだまだおぼつかない選手でした(阿部はまだ18歳でしたが・・・)。大岩もこの2人に並ぶ「レジェンド」への階段を登っている最中。派手な攻撃参加は「目立ちたがり」な部分もありそうですが、中西や阿部に近い要素だと思うのです。

  大岩は1点取れば、どばどばと得点を重ねそうな予感があります。シーズン10ゴールも夢ではないでしょう。去年SBに転向して瞬く間に10アシストを積み上げた米倉のような、攻撃的スタイルのDFとして大岩が飛躍すれば、J2優勝も難しいことではないと思います。さて次節は目下6連勝中の湘南ベルマーレとホームフクアリで戦います。フクアリでのジェフは相手が強ければ強いほど、勝率が上がるというまさに「劇場」なわけで、久しぶりに「カタルシス」を感じる試合が見られそうです。FC東京とガンバ大阪をともに「3-0」でフルボッコにした「J2版フクアリ劇場」。今度は誰が主役に?

2014年4月4日金曜日

思わぬ展開・・・谷澤達也の闘志に火が着いた!?(第5節ロアッソ熊本)

  重苦しい雰囲気の中、期待の若手・井出揺也のスタメン抜擢がありました。さらに兵働・谷澤も久々に先発復帰し、中盤に「兵働・谷澤・町田・井出」とテクニカルな選手が結集される陣容。ゲーム開始直後からの総攻撃でいきなりケンペス選手のシーズン初ゴールが生まれ、新布陣で相手を圧倒するかに思われましたが・・・。

  先制の直後から井出の右サイドでボールを奪うという相手の戦略が機能し始め、一転して苦境に陥り約20分ほどペースを奪われる。ここでベンチは谷澤と井出のポジションを入れ替えて、「谷澤の守備力」で形勢逆転を意図すると、見事に期待に応えた谷澤の奮闘により主導権を取り返すことに成功。右SBの天野との連携も良く、右のワイドで存在感を発揮!左はSBの中村が抜群のキープ力で制圧。ジェフにとってはひとまず理想的な陣容。

  奪ったボールを兵働に入れ、そこからすぐにケンペスがこれまでのジェフの「いまいち」な攻撃パターンだったが、キープ力がある両翼(谷澤、中村)に加えて、良く走る町田・井出がスペースへ飛び出すので、兵働の「ちらし」が冴え渡る。相手との力関係といったら失礼な話だが、今日に限っては1vs1はことごとくジェフの選手が1枚上手。しかし毎回こんな相手ばかりではないが・・・。

  結果は3-0で完勝。せっかくの初スタメンで厳しすぎる退場処分になった井出が抜けても尚も互角の展開(攻め手は一気に少なくなったが・・・)。3点目の谷澤の「ワールドクラス」のトラップ&シュートには痺れましたね!ロッベンやらメッシやらのゴールを見ているようだ・・・いやいやあれはディカーニオかロベルト=バッジオのような古典的な香りもしました。こういうプレーを見せるのが「プロ」(お金を貰ってするサッカー)ってもんだろう。

  さてさて次節は水戸ホーリホック戦。山中、井出を欠く中で2列目の一角を占めるのは誰か?順当にいけば、田中ユウスケなんでしょうが、チームのバランスを考えると交代の切り札に取っておきたい気が。森本を入れるというのも一つの手かも。テクニカルな面を強調するなら大塚。とりあえず右・谷澤で左・中村の両翼がある中で、町田と同等にトラップが上手くセンターでプレーできるのは魅力。

  水戸は2連勝のあと3連敗でしかも3戦ノーゴール。こういう相手を目覚めさせるのがジェフの得意技なんて自虐的なことを言ってしまう・・・それくらい嫌なデータ。すでにヴェルディ戦でやらかしてるので、そろそろそういうのは卒業しましょう。相手は失点が少ないチームなので、ジェフの守備陣の奮闘が勝負のポイントになりそう。三島という未知の大型ストライカーをしっかり抑えられるか?

2014年3月30日日曜日

悔しい敗戦と敵将の高笑い(第4節Vファーレン長崎)

  悔しすぎて低すぎるテンションで1週間を過ごしました。長崎が去年ほど強くないというと失礼かもしれませんが、兵働選手の使い方がちょっと納得いかなかったですね・・・。勝てた?とか言っても仕方ないことですが、この試合に限っては「作戦負け」の感が強く残りました。前半の2失点は完全に想定外だったと思います。これまで4戦さほど攻め込まれなかったというある種の油断がハッキリ見てとれました。もちろん長崎の決定力を褒めるべきですが・・・。

  それでも2点のビハインドをどうにかする力はあったように思います。前半の終了間際の波状攻撃はチーム全体で取りに行くという意思統一を感じました。特に2失点喰らったCBの山口智・大岩の両選手の「自分が取り返す!」という意識はとても高く、大岩選手の果敢な攻め上がりは3回ともビッグチャンスにつながりました。これはこの選手の攻撃能力の高さを示しています。右SBが竹内選手ですから、時間帯によってポジションチェンジも可能なので今後のオプションとしてアリなのでは?広島の塩谷選手のようなブレイクを期待したい。

  それでもこの試合の最大の見所は後半から始まった「兵働ショー」。J2のプレーヤーとしては異次元の空間把握能力とパスセンスを持っていて、ボランチの位置から面白いようにコントロールしてました。ロングパスを封じるために相手が寄せればテクニックのある町田・山中の両選手とワンツーを見せるなど、これまでにない「打開」力を見せたと思います。ここにナム選手が加われば「夢のカルテット」が完成しそうな雰囲気。もちろんテクニックに優れる大塚選手・谷澤選手が入っても「化学反応」が起こるかもしれませんし、もしかしたら佐藤勇人選手の追加でさらなる「爆発」もあるのではないかと密かに思っています。

  ケンペス選手が復調して去年のような「フィジカルモンスター」っぷりを発揮すれば、もっと楽に闘えるようになると思いますが、もし調子がなかなか戻らないならば、「兵働オールスターズ」による「0トップ」でも良いのではないか?という気がします。長崎戦では左ワイドを完全に中村選手に任せて、中央を制圧する作戦だったようですが、できれば右ワイドにもサイド適正が高い選手(ヨネク〜ラがいれば・・・)が入るといいですね。縦に速くて1人で打開できる選手。とりあえず今のところ山中選手しか思いつきません。シーズン初の右サイドを後半やってましたが、ポジション取りに戸惑い全くボールが引き出せていませんでした。

  さて次節のホーム熊本戦では、いよいよ右サイドに山中選手を入れての「進化型」の攻撃が見られるでしょうか。熊本は前節で巻選手に代わってスタメンに入った新人の澤田選手がいきなり結果を出しました。フクアリ凱旋で巻選手の奮起も期待できますが、もしかしたら澤田選手が出てくるかもしれません。大岩選手には絶対にこの中央大の後輩にゴールを奪われるといった「失態」は避けてもらいたいですね。橋本選手という20歳の元気な選手がいます。去年の長崎の幸野選手と同じくFC東京ユース出身のエリート「レンタル」選手に弱いジェフですからちょっと気になります。もう負けは許されない状況なので、自信を持って自分達のスタイルで攻めまくってほしいです。

2014年3月16日日曜日

ケンペス決めろ〜!岡本が掴んだ勝ち点1 (第3節東京ヴェルディ)

  前節で苦しみながらも、チームワークの守備で勝利したジェフ。今節のメンバーも「チームワーク」重視の編成で、25歳前後の4人の主軸(森本・町田・大岩・中村)に5人のチーム愛溢れる「汗かき屋のベテラン」(田中・山口慶・佐藤健・竹内・岡本)。そして最年長(山口智)と最年少(山中)のスペシャルな2人。とてもいいバランスなんですが、サッカーはそれだけじゃ勝たせてくれない・・・。それどころかこのメンバーの時間は負け試合。

  相手はいくらなんでもヤングすぎる19歳軍団。言葉は悪いが序盤から高校サッカーで見られるような未熟なアフターチャージを連発。まだ町田・大岩の学生サッカーを卒業して間もない選手は上手く対応していたように見えるが、Jリーグ生活も10年近くなく「汗かき屋のベテラン」が相手の若さゆえの間合いに戸惑う様子。さらに困ったのが不明確なジャッジ。30歳の若手審判を色眼鏡で見てしまう部分もあって、ジェフの選手が激高するシーンが何度も・・・。ゲームが進むにつれてリズムを失ってしまう。

  約60分のスターターでのゲーム時間はほとんど良いところがなかった。ジェフが実力でボールを繋いでいるというよりは、相手の軽卒なタイミングの守備からことごとくジェフがボールを拾っただけ。今期初スタメンの右SB竹内選手はクロスが満足に上げられない欠点を露呈。米倉選手の穴はどうも埋まりそうにない・・・竹内選手、天野選手には悪いが「このチームにヨネが居たらなあ・・・」。W杯を目指してJ1移籍だったと思うが夏になったら戻ってきてくれないか。

  1点ビハインドの後半15分に運動量の多い森本・町田の両選手を下げて、ケンペス・谷澤の「ダブルスーパーサブ」を投入。中村選手のクロスも生きるし、足りなかった仕掛けを谷澤選手が敢行(ちょっと軽いのが気になるが・・・)。これでリズムをあっさり取り戻すのが鈴木采配の真骨頂。ケンペス・谷澤の2人が入ると不思議と元気になる田中選手。なかなかなムードになる中でいよいよ「本物のスーパーサブ」兵働選手を投入。残り15分で完全にジェフが甦る!

  両チームの選手に大変失礼かもしれないが、今日の試合で真の「プロフェッショナル」を見せたのはGKの岡本選手とこの兵働選手だけだと思う。それ以外の選手は頑張ってはいるけどまだまだアマチュアサッカーとの絶対的な違いが出せていない。スーパーセーブが2回の岡本選手はMVP。そして見ていて異次元のスゴさ(これぞプロ)を見せたのが兵働選手。15分間だけだったがピッチを支配した「王様」が降臨した。一昨年見せた輝きの片鱗をみることができた。これは今年のジェフの風物詩になりそう「残り15分の男!」。

2014年3月15日土曜日

難産の末のスーパーゴール!(第2節ファジアーノ岡山)

  悪い予感しかしなかった開幕戦を見て、早くもジェフのサポーターが行動し、第2節で感動の勝利を手にした!めでたしめでたし。サポーターが抗議すればいくらでもチーム力が上がっていくのかもしれません。J1もJ2も実際のところ客観的に見た選手の能力ではなく、どれだけ一丸のなって戦えているかが「チーム力」となって結果を左右しています。数年前は大量補強で話題になった某関西チームがJ2に降格しましたし、某関東チームはチャンピオンチームから監督以下主力選手を次々に引き抜いていますが、優勝には手が届いていません。

  ジェフの開幕戦もそれを象徴するような一戦でした。経営が芳しくない栃木は選手の流出が止まらない状況なのですが、残った選手達が必死に自らの長所を生かしてチームに貢献していました。結果的にジェフは走り負けました。それを感じ取った知性あふれるジェフサポーターは試合後に抗議に及んだ模様。長年ジェフの試合を見て来た人ならば、開幕戦ではジェフは大勝利や今後への希望を必ず見せるチームだと知っているので、今年は明らかに「異常」だと感じていたはずです。

  第2節では今年のジェフのカギを握るであろう町田也真人選手がスタメンに復帰しました。ナム選手よりも大塚選手よりも年上の町田選手がトップ下のレギュラーポジションに定着しました。森本選手、中村太亮選手、大岩選手そして町田選手と25歳前後の4人がいつも以上に自信を持って躍動していて、なにやらチームの中に新しい「共闘心」が湧いてきている様子です。まだまだ今年になってからの「共闘関係」なので高いレベルのコンビネーションなどはなく、「理想のチームワーク」などとは程遠い状況ではありますが、お互いにプレーの理解を深めることでチームとしてさらに高いレベルにいけそうな予感はあります。

  この4人に「フォア・ザ・チーム」の姿勢が高い山口慶キャプテン、佐藤健太郎選手、田中選手、岡本選手といった少し上の世代が周りを固めていて、最年長の山口智選手と最年少の切り込み隊長・山中選手がそれぞれ個性を発揮しています。さて懸案は右サイドで悩みながらのプレーが続く様子の天野選手でしょうか。せっかく横浜マリノスからプレー機会を求めてやってきたわけですから、J2のサッカーでの効果的なプレーを意識してほしい気がします。まだまだ技巧派マリノス的なプレースタイルがジェフの周りのプレーヤーとの温度差を生んでしまっています。

  マリノスならば攻撃時には右サイドを駆け上がっていれば、中村俊輔選手からの正確なサイドチェンジのボールがきたでしょうし、万が一ボールをロストしても、中町選手が機敏にカバーしてくれたでしょう。そしてJ1とくらべていくらか技術が劣るJ2の相手選手は小柄な選手をフィジカルで押さえ込む傾向にあります。昨年の米倉選手は相手を弾き飛ばして前進するタイプでしたが・・・。

  この試合では途中から天野選手に代えて竹内選手が投入されました。J2での戦いを考えると現状では竹内選手の方がベターな気がします。特にジェフのチーム作りを念頭に置くと、やや個性的な天野選手よりも「フォア・ザ・チーム」のアラサー5人目として竹内選手を主力にしたほうが良いのでは・・・。

  それにしてもジェフのベンチメンバーは個性的な実力者が揃ってしまいました。谷澤選手、兵働選手、佐藤勇人選手、大塚選手とジェフ加入時には「救世主」として期待された選手。実際に1人でチームを変えるほどのポテンシャルは高いのですが、ジェフはこれまで十分に使いこなせませんでした。能力が高く個性が強いベテラン選手のオールスターチームは前述の某関西チームの例もあるように、いろいろ難しい面があるわけです。

  そんなわけで、現状では第2節のメンバーに右サイドに竹内選手を迎えた布陣が、「チーム力」を引き出すうえではベストな人選のように感じました。やや粒が小さい印象もありますが、町田選手と山中選手が核となって速い攻撃を繰り出していけば、得点機も増えてくるでしょうし、森本選手と田中選手の本来の決定力はJ2ならば屈指の水準ですから、プレー時間が増えるにつれて爆発してくれると楽観しています。ケンペス選手の復帰でどうなるかわかりませんが・・・。

  第3節の相手は東京ヴェルディ。開幕2連敗中のホーム味の素開催で相当な気概で立ち向かってくるでしょう。ジェフは25歳カルテットがチームを引っぱりますが、ヴェルディは今のところユース出身の高木大輔選手、菅嶋弘希選手、前田直輝選手、吉野恭平選手、安西幸輝選手と18~19歳の選手がチームの中心です。すでに吉野選手はサンフレッチェに売約済みですが、要は選手を育てて売るチーム方針です。彼らが欧州で成功し高額な移籍金が発生すればヴェルディにも「育成費」が入るという現代のサッカービジネスを追求するチームなんですね・・・。18~19歳のユース選手をベンチに1人入れるのがやっとのジェフとは全く違う感覚です。ぜひ「25歳のプライド」を見せてほしいですね。

2014年3月8日土曜日

大岩一貴の決意が見たい!(第1節栃木FC)

  開幕戦はホームで0-2の敗戦を喫しました。サポーターが居残り抗議を実行するなどかなり不満が残る内容だったのは間違いないのですが、何となく勝てるのではないかという緩い気持ちで見ていたサポーターにも責任があるのではという気がします。相手の栃木FCは資金難から希望通りの戦力補強ができないチームという印象がありますが、最終ラインに、チャヨンファン、イミンス、ドゥドゥといったフィジカルに優れる外国人を揃えたとても現実的な戦力。このチームはJ1チーム相手でも易々と負けたりしないのでは?

  もちろんこういうチームを相手にするときの戦い方はあります。代表の香川真司のようなダイレクトプレーの猛者が切り込めば、相手もついてこれずに切り込めるわけですが、ジェフでそういうプレーを得意とするのがナムスンウと森本貴幸の2人。どちらもスタメンではない・・・むむむ。案の定というか、足元で貰いたがる谷澤達也と山中亮輔が次々と弾き飛ばされる展開。

  攻撃陣のエンジンがかからない時に、必死で耐えるのが守備陣の役目なんですが、そこでちばぎんに引き続き先制点献上のミスが出てしまう。またしても失点に絡んでしまったのは大岩一貴。ジェフ期待の若手で、この選手が実力でレギュラーを勝ち取ってチームの象徴になるくらいじゃないと、今年のジェフには勢いがつかないだろう。2戦連続での先制点献上で次節も使い続けるとなると控えCBの士気に関わる。もちろんチーム屈指の堅実なカバーリング能力は見事なんだけど、ミスが目立ってしまうのでちょうど代表の吉田麻也みたいな存在。

  次節の相手・岡山は実力派FWを揃えるJ2の新興スター軍団。林容平、清水慎太郎、押谷祐樹とオラオラで仕掛けてくるから、ジェフの守備陣の真価が問われる一戦になりそう。ただし岡山も急激な戦力補強でまだチームが出来上がっておらず、スペースさえ与えなければ、相手もジェフのように手数のかかった攻撃に陥るだろうから、怖くないかも。

  それにしても町田也真人のようにリズムを変えられる選手がいないとジェフの攻撃は機能しない。まあどんなチームでも同じことがいえるけど。あとは田中佑昌と中村太亮に加えて機動力が生かせる選手を揃えて、相手に走り勝たないと勝利はおぼつかないだろう。竹内彬とキムヒョヌン辺りの力をうまく使える布陣はプランとしてあるのだろうか?

  あとは相手も知らないような若手選手を攻撃陣の一角に投入して、相手のプランを乱して乱戦をものにするくらいのドッグファイト能力がないと、すぐに相手に研究されて勝てなくなる。兵働昭弘、佐藤勇人などのベテラン選手の能力は相手チームは十分に検討済みなのだから、定跡通りの配置では相手の作戦にむざむざ引っ掛かるだけだ。そこがジェフがJ2で一番苦しむポイントだということはサポーターは痛いほど分かっているのだけど・・・。

2014年2月28日金曜日

開幕2日前にキャプテン決定 でも山口慶なら問題ない

  去年は山口智選手がキャプテンだったのですが今年は山口慶選手になりました。これはもしかしたら元日本代表の岡田監督が長谷部誠選手を、2010年南アW杯直前にキャプテンに任命して大成功を収めた時に似ているのではないかと思うのですよ! あの時の日本代表への期待度は異常なほどに低いものでした。今年のジェフも超J2級の外国人タレントの加入などなく、昨年のチームの顔が流出するなど「小粒」感が否めません。山中選手がどれだけJ2で大暴れし、森本選手がベストコンディションに戻れるか辺りに期待はしていますが。

  今年は異例の開幕ホーム2連戦。何も恐れることはないのですが、得点を奪う形が作れずに白星を逃すようだと、選手のメンタルも後ろ向きになってしまいます。誰かが均衡を破る必要があるのですが、そういう選手が出てきやすい環境作りがこの異例の2日前キャプテン就任なのかなという気がします。昨シーズンはほとんどの期間をベンチかベンチ外で過ごしても腐らずにやって来た山口慶選手がキャプテンになることで、出番が思うように得られない選手達もチームに心を向けるようになるのでは。

  山口慶選手には前々からジェフの他の選手が持っていない良さがある選手だと思っていました。オーロイ選手が加入した年のちばぎんカップを見に行きましたが、J1昇格したばかりなのにとんでもない破壊力を持った攻撃陣を揃えた柏の猛攻をジェフのいぶし銀のDFラインが完封する様に、強烈なカタルシスを感じました。その時の4人が左から坂本選手・竹内選手・青木良太選手・山口慶選手でした。サイズもない4人が柏の180cm台後半のツインタワーのFWを抑えたわけです。

  新加入のジョルジワグネル選手は左サイドバックだったので、山口慶選手と対面したのは日本人選手でしたが、山口慶選手のカバーリングはパーフェクトでサイドからの攻撃は90分通して一度もクロスすら上がらなかった記憶があります。奪ってからロングボールで前線のオーロイ選手の頭に合わせるフィード力があればとは思いましたけれども、この鉄壁の守備こそがJ2昇格への近道ではないかと今でも思っています。オーロイ選手もジャイール選手も右SBの米倉選手もそうですが、攻撃のオプションは数試合機能したらすぐに対策が立てられてしまいます。しかし鉄壁の守備に相手が対策をたてることはできないじゃないですか?

  一昨年に山口智選手、昨年にキムヒョヌン選手と能力の高いDFを補強しているはずなのですが、私には3年前の4人組の守備こそがここ数年で一番安定した守備をしていたと思います。その後能力NO1のDFと思われたミリガン選手が戦列に復帰して、なぜか守備のバランスが崩れたのを覚えています。去年のジェフはJ2参戦後最多の失点に泣きましたが、今年は山口慶選手がレギュラーに定着し3年前のちばぎんのような粘りと安定感を取り戻してほしいと思います。

  さて開幕戦ですが、とりあえず誰でもいいので先制ゴールをぶち込むヒーローにご登場頂きたい。副キャプテンの大岩選手あたりに奮起してもらいたい。ロンドン五輪のチームメイトの山口蛍選手はブラジル行きを手中にしているのだから。町田選手にもそういう役割を期待したい、ケンペス選手はチャンスメイクも上手いのだから、積極的なポジションさえ取れればチャンスは山ほどくれるだろう。

  

2014年2月22日土曜日

いよいよ来週は開幕・・・今年こそは

  去年はガンバとヴィッセルに簡単に抜け出され、プレーオフで撃沈というシーズンでした。昇格する力がまったく無かったわけではないですが、自動昇格圏のチームとはだいぶ差があったように思います。ガンバやヴィッセルとの直接対決の時だけは異様な強さを見せましたが、これだけ勝ち点差を付けられると負け惜しみの言葉もありません。

  去年のジェフはガンバやヴィッセルに比べて何が足りなかったのか? ガンバやヴィッセルには有力外国人を脇役に追いやるほどの日本人プレーヤーの輝きがありました。倉田選手や宇佐美選手が外国人FWなんて要らないというほどの活躍をしたガンバ。森岡選手がJ最強クラスの助っ人マジーニョ選手よりも完全に目立っていたヴィッセル。それに引きかえ谷澤選手はジャイール選手を超えるパフォーマンスがあったか?森本選手はケンペス選手以上に頼りになったか?

  前半戦こそは米倉選手がブレークしましたが、相手チームに対策を立てられるとゴールやアシストは激減し、逆にジェフの失点のほとんどが米倉選手が担当する右サイドから生まれるようになりました。大塚選手も町田選手も結果を出すのに十分な出場時間があったのに、大きなインパクトは残せませんでした。

  今年はどうか?先日のテストマッチを見る限りでは、今年ジェフの攻撃陣を劇的に変える力をを秘めた日本人選手の筆頭はレイソルからレンタルで加入した山中選手でしょうか。この選手が1年を怪我なく出場してくれれば大きな力になりそうな予感です。タイプ的には全盛期の深井選手を思い出させる感じでしょか。爆発的なスピードと正確なシュートとパスそしてなにより自分のプレーに自信を持っている様子が頼もしいです。これだけの選手を貸してくれるレイソルにはいよいよ頭が上がらなくなりますね(確実に育ててやるというレベルの選手ではないです)。

  山中選手加入でやや使いづらくなった印象があるのが町田選手ですね。どちらも小柄なので、マークされるケンペス選手の裏でクロスをゴール前で待ち受けるようなプレーに迫力がなくなります。トップ下はナムスンウ選手を起用する方が、得点力も期待できて広い視野とダイレクトプレーが得意な点からも山中選手との相性が良さそうです。

  2列目のもうひと枠はジェフの頼れるダイナモ・田中選手が有力。しかし田中選手はスターターで使うと意外と試合から消えたりすることもあり、逆にスーパーサブ起用の時にチームで一番結果を出せる印象があります。もちろん先制点の田中選手ですから攻めあぐねる引き気味の相手にはスタメンの方が効果的だったりします。前半から山中選手が変幻自在のドリブルで繰り返し突撃を仕掛け相手の守備陣を疲弊させてから田中選手投入という「勝利の方程式」も浮かびます。

  ジェフにとって毎年悩ましいのが2列目の選手起用で、起用法には鈴木監督も頭が痛いところでしょうか。個性がバラバラで序列を付けるのも一筋縄ではいかない出すし、江尻コーチが熱心に育てている若手選手の起用をある程度は主張するでしょうから、選手間にもモチベーションが発揮しにくいシーンも多いのかなと邪推してしまいます。実際に4年連続の昇格失敗の最大の原因はこれじゃないかなと思っているわけです。今年こそは上手いマネージングをお願いしたい。