2014年6月8日日曜日

ケンペスの「脆弱性」・・・(第17節アビスパ福岡)

  朝に代表のザンビア戦を見てて、テンション高いはずの日本があっけなく2失点。ザンビア代表のメリハリのあるパスワークはなかなか見もので、パワーのあるボランチかフォアードを、ぜひこの夏に・・・なんて思ってしまいました。中西永輔、ミリノヴィッチ、巻誠一郎と続き、いよいよオシム・ジャパンが南アフリカを目指し始めた頃までは、ジェフとW杯の関係は非常に良好だったのですが、今回は・・・ミリガンがグループBという「無理ゲー」に挑むのがちょっとした楽しみですね。もちろん日本にはわざと「C組2位」になって決勝進出を伺って貰いたいです。決勝でブラジル倒しての「優勝」も川島さんの出来次第では無いことも無いと思うのですが・・・。

  さて今節のジェフは・・・代表のザンビア戦4得点と比較なんてとてもできないほどの、「貧し過ぎる」内容でした。福岡は曇りで絶好のコンディション、ジェフの苦手な「レイニー・マッチ」は避けられたのですが(関東地方は大雨)、「レベル5スタジアム」ってキャパがあり過ぎなせいか、6000人程度の観客でもなんだか寂しい雰囲気が画面から伝わってきます。なんかジェフが躍動しなさそうな予感がゲーム前からありました・・・。

  前節までのひたすらに相手を圧倒するパスワークを見せてきたこともあり、福岡ももちろんジェフを研究済みで、フルコートプレッシングを仕掛けてきます。それでも試合序盤はチームワークというか相互の信頼関係から、狭いスペースでも臆することなくボールを繋ぐジェフが見られましたが・・・。前半の10分までにケンペスの悪いクセとも言える、中盤に下がってのパス回し参加から、立て続けにケンペスがロストを繰り返し、挙げ句の果てに相手の老練な古賀選手の挑発にノってしまい退場一歩手前の派手な大立ち回り。これで完全に勝ち運が逃げたようで、あとは森本の幻のゴールを除けば、ダメな方の「ため息」の連発でした。

  ブラジル人なのに攻撃陣で一番テクニックが無いケンペスのポジショニングは、しばしばジェフのプランを台無しにする波乱要素です。かつてジェフで活躍したオルデネヴィッツや崔龍洙もケンペスと同じような足元のテクニックに乏しい選手でしたが、コンスタントな活躍でジェフの歴史にその名を刻みました。もちろんケンペスもオルデネヴィッツ以来の得点王を昨年獲得しました。しかしJ2得点王にも関わらず、ガンバや徳島といった昇格チームから声がかからなかったのは、チーム戦術における器用さに難点があると判断されたからかもしれません。

  それでも私はケンペスの、その「人情味」溢れるファイトスタイルは好きです。オルデネヴィッツや崔龍洙が示した役割に徹するプロフェッショナルな姿勢はもちろん素晴らしかったですが、ケンペスのような「波」があって「不器用」な選手は不思議と感情移入ができます。活躍すれば共に笑い、ノーゴールで負ければ共に涙して、余計なイエローカードを貰えば「何やってんだ〜」と野次りたくなる・・・。そんなジェフの試合がやっぱり好きなんですよね。

  さて、ジェフの掲示板で井出・大塚の両名が叩かれてました。井出は確かにフィニッシュのシーンで慌てる辺りにまだまだ若さを感じますが、前を向いてボールを持ったときは、兵働・谷澤・大塚よりもプレーの幅があってワクワクします。これでケンペスに決めさせるラストパスが出せるようになったら、完全にチームの顔になれると思います。大塚は今節もケンペスに決定的なパスを供給するなど、毎試合コンスタントに「決めるだけ」のラストパスで魅せてくれていると思います。課題としては攻撃時にケンペスとの位置関係が悪いケースが多いことでしょうか。ケンペスだけでなく、井出や谷澤とフィニッシュのシーンで「被る」というシーンが減れば、自然と結果がついてきそうな気がします。

  さて次節は難敵の京都をフクアリに迎えます。前半戦を終えたときにきっちりとプレーオフ圏内に入っておくためにも、絶対に勝ち点3が欲しいです。攻撃陣には工藤・山瀬・大黒といった技術と経験を兼ね備えた実力者が揃いますが、守備陣に安定感がなくジェフと同じくらい中位を彷徨っています。福岡戦よりはチャンスも多く作れそうな予感がします。負けたら「チェンジ」がルールと成りつつあるジェフのスタメンにも注目したいです。


福岡1−0ジェフ   得点者 (福) 金森

  

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