2014年4月29日火曜日

ケンペスがブレーキでは勝てないです!(第9節カマタマーレ讃岐)

  さすがに悪い流れが断ち切れないということで、スタメンはおろかフォーメーションを弄ってきました。GKは岡本。DFは右からキムヒョヌン・大岩・山口(智)・中村。MFはフラットで4枚になり右から谷澤・佐藤(勇)・兵働・井出。FWは2トップでケンペス・田中。結果論で言えば試合を支配できるだろうという甘い目論見が完全に外れて、一歩間違えばホームで屈辱すぎる連敗を味わうところでした。

  前半押し込まれてみて、兵働・佐藤(勇)のダブルボランチは守備でのチームを助ける動きが少ないなと感じます。良いゲームをするジェフは地味なところで山口(慶)が相手を遮断したり、佐藤(健)が粘り腰のマークを見せたりしていて、「守備のいいプレー」が目立つことが多いのですが、この試合は失礼ながら相手の決定力の無さに救われました。

  とりあえず右SBはキムヒョヌンを起用するのが現時点ではベストな選択に思います。しかしケンペス・大岩・キムヒョヌン・山口(智)の4枚が飛び込むCKを10本以上放って、1ゴールも奪えないのは「不運」じゃ片付けられないモヤモヤを感じます。前節の富山戦ではショートコーナーを使わざるを得ないほど高さが不足したわけですが、結局は高さがあればいいというわけでもないみたいです。讃岐の守備はCKを獲り易いから「高さ重視」のメンバー構成というベンチワークは素晴らしいのですけど。

  ジェフファンは監督やフロントへの批判が目立ちますが、スポンサーと力を合わせて「田中」「中村」のような優秀な選手を指名買いして即戦力として活躍もしているわけですから、そこまでフロントが悪いとは思いません。鈴木監督にしても、J2チームで複数の実績ある選手をベンチあるいはベンチ外にしなければならないという難しさが、ジェフというチームにはあると思います。

  私も1人のファンとしてとても言いにくいのですが、監督でもフロントでもなく、やはり選手自身が「サッカーでメシを喰う」ということの意味を自覚し、「自分が大活躍して勝つんだ!」という気持ちが伝わるようなプレーを見せてもらいたいです。前節に対戦した富山の中島選手はレンタル選手ながら「オレがこのチームを支えている!」という気迫に満ちたプレーを見せてくれました。敵チームながら「天晴れ」なほど1人で何度もチャンスを演出していました。

  去年のジェフには米倉がいました。彼のサイドアタックには客をスタジアムへ呼び寄せる「プロフェッショナル」なオーラがありました。今年のジェフには一体何を見ればいいのでしょうか? もちろん谷澤は例年になく調子が良さそうですし、兵働が魅せる「ファンタジー」もよくわかっていますが、毎試合で全力プレーを「約束」してくれる米倉の魅力はとても大きかったなと・・・残念ながら今年のサポーターは痛感しています。

  米倉はJ2で1年目の江尻政権時代にメンバー入りするようになりましたが、スタメン起用に2ゴールで応えても、当時の攻撃的MFの異常なまでの層の厚さから、次節にはベンチということもありました。J2の2年目で谷澤がFC東京に出てから不動のスタメンに名を連ねるようになりましたが、江尻監督の時代は「12試合で5ゴール」挙げていながらも、十分に信頼を勝ち取ることができませんでした。いまのジェフでこれだけの成績を挙げていたら間違いなくチームリーダーの器じゃないですか?

  これだけの成績でも満足に試合に出られない厳しい環境にいたからこそ、あれだけのスター性のある選手に成長のでしょうね。同じポジションでまるで寵愛されているかのように起用される町田・井出の両選手が米倉レベルにまで達するには、やはり自覚が必要なんじゃないかと思う訳です。(上から目線で失礼しました・・・)

  さて次節はジュビロ磐田戦です。讃岐戦と磐田戦である程度のターンオーバーを考えているのかもしれませんが、町田・大塚を同時に温存するのもちょっと腑に落ちません。森本のスタメンはありそうな気がしますが、誰かが口火を切るゴールをこじ開けないといけません。そろそろ臨時キャプテンの大岩に「大車輪」の活躍を期待したいところですが・・・。


ジェフ1ー1讃岐   得点者 谷澤(ジ) アンドレア(讃)

  

2014年4月21日月曜日

田中佑昌 のスピードにみんな合わせろ!(第8節カターレ富山)

  いやーそれにしても中島翔哉選手はスゴい!19歳の選手とは思えないくらいに、自分のプレーの有効性がよくわかっています。ジェフの20歳井出揺也もテクニックでは負けてないのですけど、足元でボールを止めるスタイルのプレーがどうもドリブラーとしての魅力を半減させてしまいます。今日の2列目は全体的に酷かった・・・。谷澤は悪い頃の「軽いプレー」が随所に飛び出し、大チャンスを大ピンチに変えてしまい味方の士気を下げるようなプレーが多かった。

  そして絶不調と言っていいくらいに長いトンネルから抜け出せない町田。なんだかどんどん自信を失っている様子。ファンとして勝手なことを言うと、ここは一旦大塚にレギュラーを奪われて再び奮起しないときっかけが見えないのではないかと思えるほど・・・。代わって入った大塚も対してプレッシャーもきつくないのに何も出来ない。これはお金を払ってスタジアムやスカパーで見てる人は怒っていいほど。ファンからは右SBの天野に対して辛口な風潮があるようですが、今日のジェフの中盤のボールロストっぷりは「酷過ぎ」で、あれだけ連続してカウンターを喰らってよく1点で済んだなと幸運を感じるレベルでした。

  あまり戦術的なことに口出しすべきではないですが、ジェフはサイドでプレーしたい選手が渋滞を起こしていて、それでもゴリゴリと細かいパスなどで前へ行こうとします。たとえ個々の技術で勝って前にすすめたとしても、ショートパスとドリブル突破でやっとサイドをえぐるだけですから、相手は少ない人数で前を塞げますし、真ん中でマークを付けて守ればいいだけですので大した脅威にはなりません。今日のジェフのチャンスはほとんどが富山にマークさせる暇なく、ゴール前へ入れていった速い攻撃ばかりでした。

  しかしこの「速い」攻撃が今日は最前線に田中を配する布陣ではとても有効で、田中選手はトップスピードで飛び出しても、そこからダイレクトでゴール前につなげる「粘り越し」はチーム最強レベル。走りながらのプレーなら町田、井出よりも正確で味方につなげたり、フィニッシュに持ち込む能力は断然に高いように感じます。ワイドに両サイドを使うことが出来るジェフとしては、中盤の底から兵働が、あるいは最終ラインの山口(智)と大岩が一気に、田中の前方にロングボールを供給する形が良い時のジェフでした。

  富山は引いてスペースを与えない戦術でしたが、相手から見て読み筋のサイド攻撃に依存するのではなく、もっと怖がらずに真ん中に縦パスを入れて、相手の守備を引きつけながら、敵陣深い位置で中村、天野がサイドでボールを受ける形がジェフの最も得点の匂いがした瞬間でした。天野はゴールに近づくとジェフの他の選手よりも大胆なプレーが出来るので、相手にとってはかなり恐い選手です。あまりにも得点不足に悩むようなら右サイドの2列目で使ってもいいかもしれません。

  それにしても前節に引き続き低調なゲームだったように思います(怒)。次はなんと恐るべきカード!フクアリでの讃岐戦。こんなことは想像してはいけませんが、東京ヴェルディ、カターレ富山と今期低調なチームにことごとく勝ち点を献上してきたわけで・・・、まさか讃岐にJ2初勝利をプレゼントするなんてことはあってはならないわけですが・・・。ここにきてチーム作りは振り出しに戻った感じが。それでも山口慶キャプテンの不在の中チームを最後方から鼓舞し続けた、ジェフのナンバー「2」大岩一貴。相手の韋駄天小僧(失礼)・中島選手の突破にも動じずに落ち着いてゴール前を固める姿には「カタルシス」すら感じました!今後に大きく期待したいです!


試合結果 富山1ー1ジェフ 得点者 中村(ジ) 大西(富)
  

2014年4月13日日曜日

やはり 大岩一貴 の存在は大きかったんじゃ?(第7節湘南ベルマーレ)

  結果論に思われるかもしれませんが、スタメンを見てちょっと嫌な予感がしました。GK岡本 DF天野・キムヒョヌン・山口(智)・中村 MF山口(慶)・兵働・谷澤・町田・井出 FWケンペス とまあ予想通りの布陣なのですが、今回の相手は目下6連勝中で破竹の勢いの湘南。今シーズン初めてコンビを組む「天野とキムヒョヌンの連携」だったり、激しいプレス合戦はまだまだ未経験に近い「井出の起用」など守備に不安要素が多いように感じました。それにしても「0−6」という衝撃の結果までは予想できませんでしたが・・・。

  本日出場停止だった大岩一貴というプレーヤーがいかにチームに落ち着きを与えていたかがよくわかるゲームだったんじゃないかと思います。ド派手な攻め上がりとハードワークな守備は確実にジェフの攻守に厚みを加えていました。まだ得点こそありませんでしたが、彼のオーバーラップは着実に相手ゴールに迫っていましたし、兵働、町田といった奇才パサーが揃い踏みするチームにとって、彼の攻撃参加はパスの選択肢を増やしますし、相手守備も相当に混乱させます。大岩が出場できれば、違った結果になっていた!とは言いきれませんけど。

  1点目、2点目と懸念していた右サイドから崩されて立て続けに失点。クロスかシュートのどちらかをブロックできていれば生まれなかった2点ですが、いずれの守備機会も負けてしまうのですからこれは大きな問題。クロスやシュートへのブロック力にかけては抜群の大岩がいれば・・・。一方で代役のキムヒョヌンはカウンターを仕掛けてくる相手の2トップをマンマークする能力はチームトップクラスだと思いますが、湘南のように人数をかけて攻めてくる相手はちょっと苦手な様子。今日もマークがズレる展開でシュートブロックがことごとく空振り。大量失点はキムヒョヌン一人のせいではもちろんないですが、彼が湘南の攻撃に対し無力だったことは確かです。

  攻撃陣も情けないことに、ケンペスのヘディングシュート以外は枠の中に飛ばすこともできない。前半は町田が溜めて、左の中村からクロスという攻撃が効果的でしたが、湘南の修正は早く、ボールを持ちたがる井出、中村に「持たせて」速い攻撃を封じる守備を展開。井出、中村の才能で単発的に切り込むことは出来るけど二度と同じことはやらせてもらえない。そして頼みの兵働は最初から最後まで完全にマークされていました・・・。相手の監督に完全に分析されていたのがよく分ります。湘南は6連勝にも関わらず、ジェフの攻撃を封じるためのスタメン変更をしていたようです。

  ジェフのサッカーをやって潔く勝負しよう!という気持ちもわからなくはないですが、こちらにもいくらでも作戦を立てることができたと思います。各選手のコンディションなど細かいことはわかりませんが、絶対に勝ちたいなら相手の勢いを削ぐために撹乱戦術があっても良かったと思います。特に大岩の出場停止という緊急事態なわけですから、GK岡本 DF山口(慶)・田代・山口(智)・中村 MF佐藤(勇)・キムヒョヌン・谷澤・町田・田中 FW森本 といった守備的なスタメンに、後半途中から兵働・山中・ケンペスを投入して勝負に出るというくらいの手堅さがあっても良かったように思います。

  最後に絶望的な得点差の中でも特に気概を持って飛び出しのプレーで最後まで1点を狙いにいった山口(慶)キャプテンの責任感には心を打たれました。もしこのキャプテンが右SBに入っていたら、むざむざと失点を重ねることはなかったんじゃないですかね・・・。プロスタメン1試合目が退場。2試合目が大敗。と伝説的なデビューを飾りつつある井出もふてぶてしいまでの才能を随所に発揮していました。再びジェフから日本代表選手が生まれる日も近いのではないですかね。

2014年4月6日日曜日

負けるな大岩!チームを支えているのは君だ! (第6節水戸ホーリーホック)

  連勝!谷澤の連続ゴール!そして連続の退場者!ジェフの「闘志」と「技術」が相手を上回った前節、今節にサポーターは大満足でした。兵働&谷澤のベテランコンビが大車輪の働きで、まだまだ経験不足な若手選手に勇気を与え、「チーム力」の高さを十分に実感でき今年こそは悲願のJ1昇格もプレーオフ無しで達成できるのかも!?

  4~5点は取れていそうな前半に、ド・カウンターを喰らって追いつかれ、ジェフにとって最大の敵である「下を向く」時間が前半終了まで続きました。水戸もそれほど攻撃にバリエーションが無く、ひたすらにFW三島に合わせるだけ。それでも天野とのマッチアップに当然ながら空中戦で全勝し続けて、ゴール前はヒヤヒヤ・・・。逆に天野が負け続けたおかげで水戸の攻撃が単調になったという見方もできますが、後半にはPKも取られてますし、あまりジェフにとっては良い戦術ではないです。

  攻撃陣はまだまだ町田と田中が迫力不足で、まったく怖さがない。現実的に有効な攻め手は中村がサイドをえぐってからのクロスと、ケンペスがサイドに流れてから「無双」しながらボックスに突入するという2つの形のみ。前節はこの形で2ゴール。今日も2点目はケンペスのキープから谷澤のミドル。シュートを外すイメージこそありますが、なんだかんだでケンペスは2試合で1ゴール2アシストの大活躍!これでは森本を投入する時間もなかなか取れません。

  谷澤、兵働、ケンペスに加えて、PKを止めた岡本と、随所に好プレーが光るキャプテン山口慶と、「アラサー」プレーヤーが連勝の立役者となりました。ちょっとサポーターの怒りを買ってしまったのが大岩でしょうか。ここ数試合では絶好のチャンスで決め切れず、失点に絡む(CBだから仕方ないが・・・)プレーことも。今日はさらにPKを取られ、挙げ句の果ては退場。なかなか運がないなと感じてしまいます。

  CBにも関わらず流れのなかで最前線まで攻め上がりゴールまであと一歩!みたいなダイナミックなDFがかつてジェフに居た事があったでしょうか? それこそ中西永輔と阿部勇樹がCBを務めた時くらいしか見られなかったプレーです。中西も阿部もどちらもジェフの「象徴」として一時代を築いた名選手なわけですが、どちらもジェフ3年目ではまだまだおぼつかない選手でした(阿部はまだ18歳でしたが・・・)。大岩もこの2人に並ぶ「レジェンド」への階段を登っている最中。派手な攻撃参加は「目立ちたがり」な部分もありそうですが、中西や阿部に近い要素だと思うのです。

  大岩は1点取れば、どばどばと得点を重ねそうな予感があります。シーズン10ゴールも夢ではないでしょう。去年SBに転向して瞬く間に10アシストを積み上げた米倉のような、攻撃的スタイルのDFとして大岩が飛躍すれば、J2優勝も難しいことではないと思います。さて次節は目下6連勝中の湘南ベルマーレとホームフクアリで戦います。フクアリでのジェフは相手が強ければ強いほど、勝率が上がるというまさに「劇場」なわけで、久しぶりに「カタルシス」を感じる試合が見られそうです。FC東京とガンバ大阪をともに「3-0」でフルボッコにした「J2版フクアリ劇場」。今度は誰が主役に?

2014年4月4日金曜日

思わぬ展開・・・谷澤達也の闘志に火が着いた!?(第5節ロアッソ熊本)

  重苦しい雰囲気の中、期待の若手・井出揺也のスタメン抜擢がありました。さらに兵働・谷澤も久々に先発復帰し、中盤に「兵働・谷澤・町田・井出」とテクニカルな選手が結集される陣容。ゲーム開始直後からの総攻撃でいきなりケンペス選手のシーズン初ゴールが生まれ、新布陣で相手を圧倒するかに思われましたが・・・。

  先制の直後から井出の右サイドでボールを奪うという相手の戦略が機能し始め、一転して苦境に陥り約20分ほどペースを奪われる。ここでベンチは谷澤と井出のポジションを入れ替えて、「谷澤の守備力」で形勢逆転を意図すると、見事に期待に応えた谷澤の奮闘により主導権を取り返すことに成功。右SBの天野との連携も良く、右のワイドで存在感を発揮!左はSBの中村が抜群のキープ力で制圧。ジェフにとってはひとまず理想的な陣容。

  奪ったボールを兵働に入れ、そこからすぐにケンペスがこれまでのジェフの「いまいち」な攻撃パターンだったが、キープ力がある両翼(谷澤、中村)に加えて、良く走る町田・井出がスペースへ飛び出すので、兵働の「ちらし」が冴え渡る。相手との力関係といったら失礼な話だが、今日に限っては1vs1はことごとくジェフの選手が1枚上手。しかし毎回こんな相手ばかりではないが・・・。

  結果は3-0で完勝。せっかくの初スタメンで厳しすぎる退場処分になった井出が抜けても尚も互角の展開(攻め手は一気に少なくなったが・・・)。3点目の谷澤の「ワールドクラス」のトラップ&シュートには痺れましたね!ロッベンやらメッシやらのゴールを見ているようだ・・・いやいやあれはディカーニオかロベルト=バッジオのような古典的な香りもしました。こういうプレーを見せるのが「プロ」(お金を貰ってするサッカー)ってもんだろう。

  さてさて次節は水戸ホーリホック戦。山中、井出を欠く中で2列目の一角を占めるのは誰か?順当にいけば、田中ユウスケなんでしょうが、チームのバランスを考えると交代の切り札に取っておきたい気が。森本を入れるというのも一つの手かも。テクニカルな面を強調するなら大塚。とりあえず右・谷澤で左・中村の両翼がある中で、町田と同等にトラップが上手くセンターでプレーできるのは魅力。

  水戸は2連勝のあと3連敗でしかも3戦ノーゴール。こういう相手を目覚めさせるのがジェフの得意技なんて自虐的なことを言ってしまう・・・それくらい嫌なデータ。すでにヴェルディ戦でやらかしてるので、そろそろそういうのは卒業しましょう。相手は失点が少ないチームなので、ジェフの守備陣の奮闘が勝負のポイントになりそう。三島という未知の大型ストライカーをしっかり抑えられるか?