2013年5月6日月曜日

佐藤勇人の抜群のサッカーセンスを目撃! (5月6日第13節FC岐阜)

  オシム監督時代の佐藤勇人はボランチながら、なかなか「華のある」プレーヤーだった。ちょっとイメージに合わないかもしれないが、リバプールのスティーブン=ジェラードのような存在感があった。もっとも当時のジェフはキラ星のごとく才能溢れるプレーヤーが集結していたが、その中で最重要人物はといわれたら、ちょっと悩んでから「佐藤勇人」と答えるジェフファンも多かったように思う。

  いまJ2で4年目を迎えるジェフは当時のチームとは大きく違う。去年までのJ2の3年間の佐藤勇人は本来の姿ではなかった。思うように活躍できない原因はチームが場当たり的な人員補充に終始し、「チーム作り」並びに「J2」を軽視していたことだ。本来質の高い「チームプレー」の中で最高に輝く選手が佐藤勇人なのだと思う。

  今日の佐藤勇人のプレーは実に良かった。見ている限りではほとんどボールを失わなかったと思う。ほぼ岐阜陣内でジェフがプレーできたのは、佐藤勇人の「無双」といえるほど落ち着いたプレーからだった。兵働と田中佑昌の動きにもう少しキレがあれば、もっと楽に勝てていたように思う。

  ジェフのアタッカー陣はキープ力がある選手が揃っていて強そうに見えるが、マーカーを背負っても確実に安定してプレーできる選手はジャイールくらいだ。それでもどこか「個」の力に頼ろうとしているところがあるようだ。結局、谷澤がドリブルでかわしてチャンスになることは滅多になく、相手のマークが緩くなる大岩の攻撃参加のほうがチャンスを演出できている。特に足元でもらいたがる谷澤や兵働やジャイールにボールを持たせる安易な攻撃は相手にとってまったく怖くない。

  毎試合とんでもない頻度で決定機を作っているのは米倉だろう。「オールマイティプレーヤー」の米倉でも相手DFの前のスペースで仕掛けるとほとんど不発になる。ジェフのアタッカー陣はドリブラーとしての自負があるようだが、よく試合を見てると相手チームにまだ名前が知られていない若手プレーヤーの方が「高速ドリブル」を駆使して決定的な仕事が出来ている感すらある。今日も岐阜の柴原という選手の方が谷澤よりドリブラーとしての強烈なインパクトを残していた。

  ジェフが本当に自信を持って勝ちにいける強いチームになるためには、「自意識過剰」なドリブラーたちを野放しにしてはいけないと思う。足元ではなく、相手の裏のスペースでボールを受けて、キープせずに相手ゴールに流し込めばいいのだ。京都戦で見せた佐藤勇人のスルーパス(3点目)は強烈だった。兵働以上の天才的なパスセンスをこの選手は持っている。それくらいに「さりげなく」やってくれたと思う。今日は天才的な「飛び出し」を何度も見せていた。ケンペスがいなくてゴールの臭いがない前線を自分が助けようという「意思」を感じた(一つでも決まっていたら良かったのだが・・・)。

  「佐藤勇人を中心としたドリームチーム」へ成長することができるかが、今年のジェフの最大のポイントだと思う。このプレーヤーがなんといってもチームで一番のサッカーセンスを備えているのは間違いないのだから。

FC岐阜 0ー1 ジェフ千葉   得点者 ジャイール

スタメン
GK岡本 6.5      △(無失点素晴らしい)
DF米倉 6.5       △(米倉フォーメーションはまだ未完成)
DF竹内 6.0  △(得点源だった時代が懐かしくもある)
DF山口(智) 6.0 △(最近見ていて怖いときがある。ちょっと心配。)
DF大岩 6.0        △(チームのバイタリティを影で支えています)
MF佐藤(健) 6.5 △(ファイトで無失点に貢献)
MF佐藤(勇) 7.0 ☆(コンディション上昇中/ガンバ遠藤越えに期待)
MF兵働 6.0  ▲(エスパルス時代のミドルを見せてほしい)
MF田中(佑) 5.5 ★(お疲れモード/米倉バーターとしては及第点)
MFナムスンウ 5.5 ▲(スタメンだと光らない・・なぜ?)
FW谷澤 5.5  ▲(常にボール持ったら前に行こうとすれば相手はビビるはずだが)

交代
FW深井 6.0 △(気持ちが入っていて、見ていて気持ちいい)
FWジャイール 6.5 △(ここで決めるのだからやっぱりスターだな)
DFキムヒョヌン  6.0   △(やはり守備上手い。CBでスタメンあるかも)

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